日下部雅生型絵染展
久松留守 ―護りを祈る―
型絵染組パネル touch-還幸祭・雨-
「京都祇園祭展」プレフォーラムにもご出演いただいた、染色家・日下部雅生氏の個展が開催されます。
今回、日下部氏より[ことしるべ]読者にコメントを頂戴しました。
明治23年に流行が始まり、翌年に掛けて更に猖獗を極めたインフルエンザに、人々は「お染風(風邪)」と名付けました。 浄瑠璃や歌舞伎の人気演目『お染久松』のヒロイン「お染」のポッと一気に燃え上がる恋になぞらえたのです。 「お染風」の恋に燃える女心に対し、門口に張られた「久松留守」という自家製護符の張り紙は、“貴女の恋しいお相手「久松」はこの家にいませんからどうかお帰り下さい”という軽妙で、しかし真剣な祈りの心です。 自然や人々の懐かしい風景、穏やかな季節の移り変わりなど、失われつつあるものを作品に残したいと制作して参りましたが、新型コロナウイルスの感染に代表される昨今の社会情勢の中、それらのモチーフが自分自身を力づけてくれている事を感じています。 祇園祭に蟷螂、シーサー、そして海亀・・・。型絵染にてそれらに託す “ 護りのこころ ” をご覧頂きたいと存じます。 (日下部雅生) |
ぜひ会場で、日下部雅生氏の作品世界をご堪能ください。
型絵焼箔樹板額 久松るす
型絵焼箔樹板額 蘇民将来子孫者也
<会場風景>
●日下部雅生型絵染展 久松留守—護りを祈る―
会期:2020年10月28日(水)~11月3日(火)
時間:午前10時~午後8時※最終日は午後4時閉場。
会場:髙島屋京都店6階美術画廊(京都市下京区四条通河原町西入真町52)
HP https://www.takashimaya.co.jp/kyoto/topics/art.html
TEL (075)221-8811
入場料:無料