【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット Vol.75】京都文化博物館 2階総合展示「京のまつり」祇園祭ー長刀鉾の名宝ー

【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット Vol.75】京都文化博物館 2階総合展示「京のまつり」祇園祭ー長刀鉾の名宝ー

京都文化博物館 2階総合展示「京のまつり」
祇園祭ー長刀鉾の名宝ー

 

 京都市下京区四条通烏丸東入ルの長刀鉾町から出立する長刀鉾は、祇園祭前祭の山鉾巡行で常に先頭を行く鉾です。山鉾の中では唯一生き稚児を乗せて巡行し、途中、四条通麩屋町に張られた注連縄を稚児が刀で切り開く姿は、祇園祭を象徴する光景のひとつとして広く知られています。
 長刀鉾は、祇園祭の参加する山鉾の古式の目安とされる応仁の乱よりも以前からその名があり、くじ取り式が始まった明応9年(1500)の時から現在に至るまで、常に巡行一番を勤めてきた由緒ある鉾です。歴史と伝統に裏打ちされた長刀鉾には、数多くの貴重な品々が伝来しています。
 長刀鉾の歴史は、まさに祇園祭の歴史そのものです。今回の展示では長刀鉾に伝わる華麗な美術工芸品や貴重な文献資料などを取り揃えました。魅力あふれる長刀鉾の名宝優品をご覧いただき、奥深い祇園祭の世界をご堪能いただければ幸いです。(本展会場配布のパンフレットより)


長刀鉾 注連縄を切る稚児

今回、本展担当の京都文化博物館学芸員・橋本章氏より[ことしるべ]読者の皆さまにコメントを頂戴しました。

京都文化博物館での祇園祭関連資料展示は、当館2階展示室をリニューアルして「京のまつり」ゾーンを開設した平成23年7月から始まりました。それから8年間、公益財団法人祇園祭山鉾連合会様や各保存会の皆様からの多大なるご助力をいただきながら、祇園祭に参加する山鉾に伝わる名宝優品を数多く紹介してまいりました。

この展示のコンセプトは、祇園祭に登場する山や鉾のひとつひとつにスポットを当てて、各山鉾に伝わる貴重な品々をじっくりとご覧いただける機会を提供させていただくと共に、それぞれの山鉾の特徴や、それらを守り伝えてきたお町内の文化をご紹介して、祇園祭の魅力をご観覧のみなさまにより深く知っていただけるよう心掛ける事でした。

 現在開催中の「祇園祭—長刀鉾の名宝展−」を含め、これまでに32の山鉾をご紹介してまいりまして、公開させていただいた資料の総点数は834点にのぼります。今年10月下旬からは四条傘鉾の展示を行ないますが、それが済みますと現在巡行に参加する全ての山鉾を紹介し終える事となります。

 長刀鉾の名宝展では、15点の重要有形民俗文化財をはじめ24点の貴重な品々を出陳させていただきます。前祭巡行の先頭を行く祇園祭を象徴する鉾に相応しい名宝が公開されますので、ぜひともご覧下さい。

 また、来年3月24日からは「特別展 京都祇園祭−山鉾の風流・町衆の情熱−」を当館4階3階の特別展示室で開催致します。これまでご紹介してきた祇園祭山鉾展示の集大成となる魅力あふれる展覧会となるよう準備を進めておりますので、どうぞご期待下さい。


写真2点ともに会場風景

◆祇園祭ー長刀鉾の名宝ー
会 期 2019年8月10日(土)~10月20日(日)
     前期=8月10日(土)~9月16日(月・祝) 後期=9月19日(木)~10月20日(日)
     ※月曜休館(祝日の場合は翌日)※但し2019年9月18日(水)は展示替えのため休室します
時 間 午前10時~午後7時30分(入室は閉室の30分前まで)
会 場 京都文化博物館 2階総合展示室 京のまつり
      京都市中京区三条高倉
      電話:075-222-0888
      HP http://www.bunpaku.or.jp/
入場料 一般500円(400円)、大学生400円(320円)、高校生以下無料*( )内は20名以上の団体料金*こちらの料金で、3階フィルムシアターもご覧いただけます。

★関 連 情 報★

特別展 京都祇園祭 −山鉾の風流・町衆の情熱−

日本の政治、経済、文化の中心地として永らく栄えてきた京都では、常に町衆のエネルギーが都市の原動力となってきました。
本展では、祇園祭の山鉾を飾る舶来の希少な懸装品や京都の技術と芸術の粋を結集した華麗な装飾品の数々をもとに、古より都の人々が心を寄せてきた祇園祭の本質に迫ります。

◆会 期 2020年3月24日(火)~2020年5月17日(日)
◆休館日 月曜日、5月7日(木)※ただし5月4日(月・祝)は開館
◆時 間 午前10時~午後6時(金曜日は午後7時30分まで)※入場はそれぞれ30分前まで
◆会 場 京都文化博物館
◆一般1,500円(1,300円) 大高生1,100円(900円) 中小生500円(300円)
( )内は前売および20名以上の団体料金 前売り券発売日は後日発表いたします
◆主 催 京都府、京都文化博物館、公益財団法人祇園祭山鉾連合会、京都新聞、朝日放送テレビ、日本経済新聞社
◆共 催 京都市