日本フィンランド外交関係樹立100周年記念特別展
フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア ―コレクション・カッコネン
本展では、フィンランド工芸の世界的に著名なコレクターであるキュオスティ・カッコネン氏の所蔵作品から、1950年代、60年代を中心に活躍した個人作家の作品を中心にフィンランド陶芸を黎明期から体系的に紹介。約130点の作品からフィンランド陶芸の豊かな世界をお楽しみください。
主な作品紹介
アルフレッド・ウィリアム・フィンチ 花瓶 1897-1902年
アイリス工房 高さ 25.5㎝
コレクション・カッコネン photo:Niclas Warius
アルフレッド・ウィリアム・フィンチは、ブリュッセルで絵画を学び、アーツ・アンド・クラフツ運動の影響のもと1890年頃から陶磁器制作を行っていました。フィンランドの赤土を用い、アール・ヌーヴォー様式の植物文様が鮮やかな色彩で描かれた日用の陶器は、スウェーデンやドイツでも販売されました。
キュッリッキ・サルメンハーラ 壺 1957年
アラビア製陶所 高さ 34.0㎝
コレクション・カッコネン photo:Niclas Warius
キュリッキ・サルメンハーラは、陶芸の技術面を熱心に研究して、銅を呈色剤とする釉薬や貫入の表現により中国陶磁を意識した作品を制作、その後、粗いシャモットの質感を活かした制作へと展開しました。1957年には研究活動のためにアメリカに滞在し、当時盛んであった表現主義的な陶芸表現からも影響を受けています。教育者としての評価も高く、フィンランドにおける「近代陶芸の女王」と呼ばれています。
ルート・ブリュック 陶板《聖体祭》 1952-1953年
アラビア製陶所 高さ 86.0㎝ 幅 138.0㎝
コレクション・カッコネン photo:Niclas Warius
ルート・ブリュックは、施釉した壁掛け用の陶板において新しい制作技法を開発しました。彼女の作品は、さまざまな色を用いて抒情的な主題を繊細に表現し、広く評価を得ました。本作は、彼女が実際に見た聖体祭の行進をもとにした作品で、型押し成形による複数の陶板によって全体が構成されています。
「フィンランドを代表する作家たちの代表作を、個人コレクションからご紹介する貴重な機会です。
不均衡な自然の美しさや、物語性のある絵画的な表現は、日本でも広く関心を呼ぶものだと思いますが、これまでほとんど知られていませんでした。
大阪は巡回展の最終会場、お見逃しなく。」(大阪市立東洋陶磁美術館 学芸員)
館内写真撮影OKなのもうれしい展覧会です。ご期待ください!!
★同時開催 特別展「マリメッコ・スピリッツ フィンランド・ミーツ・ジャパン」
日本フィンランド外交関係樹立100周年記念特別展 会期:2019年7月13日(土)~10月14日(月・祝) |
イベント情報!
ラボカフェスペシャルfeaturing クリエイティブ・アイランド・ラボ 中之島&鉄道芸術祭
シンポジウム「社会と表現の相互作用―フィンランド近現代史と陶芸」
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