近代の京都で活躍した洋画家・太田喜二郎と建築家・藤井厚二。
「絵画」「建築」というジャンルの垣根を超えて、日本の光を追い求めた2人の交流を紹介するユニークな展覧会が京都文化博物館で開かれています。
左(上):太田喜二郎≪木陰の少女≫1909年
右(下):藤井厚二≪聴竹居≫重要文化財 1928年 写真:古川泰造 写真提供:竹中工務店
太田喜二郎(おおた・きじろう)は東京美術学校を卒業後ベルギーに留学。点描表現や印象派を日本にもたらしたといわれ、帰国後は日本の柔らかな光を描く方法を模索しました。
藤井厚二(ふじい・こうじ)は東京帝国大学建築科を卒業後、竹中工務店を経て京都帝国大学建築学科に赴任。西洋の様式を取り入れつつ、日本の気候風土にあった住宅を追求しました。
上:太田喜二郎≪樹陰≫1911年、京都市美術館
下:藤井厚二≪聴竹居 居室≫1928年 写真:古川泰造 写真提供:竹中工務店
建築のデッサンを教えるため、京都帝大建築学科に講師として招かれた太田は、同じころに講師として着任した藤井と出会います。
太田は自邸の設計を藤井に任せ、藤井は茶事を通じて交流するなど、2人は家族ぐるみでの交流を深めていきます。
絵画と建築をクロスさせた新しい視点から、新たに発見された作品や建築、2人の交流を伝える書簡などの資料を踏まえ、太田と藤井の活動を検証しています。
≪太田喜二郎から藤井厚二宛書簡≫1935年10月21日 竹中工務店所蔵
○シンポジウム「太田喜二郎と藤井厚二」
日時:6月2日(日)午後2時から午後5時
パネリスト:石田潤一郎氏(武庫川女子大学)、中谷至宏氏(京都市美術館)、松隈章氏(竹中工務店)、山田真規子氏(目黒区美術館)、植田彩芳子氏(京都文化博物館学芸員)
会場:京都文化博物館別館ホール(定員170名)
参加費:無料 ただし総合展示入場券(半券可)が必要
※要事前申込、先着順 申込はこちらから
○ぶんぱく京都講座「太田喜二郎の画業と生涯」
日時:6月16日(日)午後1時30分から午後3時(講座)
午後3時30分から午後4時(希望者向け展示室での特別解説)
講師:植田彩芳子氏(京都文化博物館学芸員)
会場:京都文化博物館別館2階講義室(定員40名)
参加費:500円(特別解説参加の場合は別途総合展示入場券が必要)
※要事前申込、先着順 申込はこちらから
○学芸員によるギャラリートーク
日時:5月24日(金)、6月7日(金)、6月14日(金)午後6時から30分程度
会場:展示室内
※事前申込不要、当日の入場者に限ります
◇会場 京都文化博物館 2階総合展示室「京の至宝と文化」 ◇会期 2019年4月27日(土)~6月23日(日)月曜休館 ◇時間 午前10時から午後7時30分(入場は午後7時まで) ◇料金 一般500(400)円、大学生400(320)円、高校生以下無料 ()内は20名以上の団体料金 上記料金で総合展示と3階フィルムシアターの観覧可※催事により別途有料の場合あり ◇主催 京都府、京都文化博物館、読売新聞社、美術館連絡協議会 ◇協力 竹中工務店 |
リンク:本展紹介ページ(京都文化博物館)