Co-jin Collection コジコレNO.5
京都御所東の荒神口にある小さなギャラリー「art space co-jin」。
こちらでは障害のある人の作品や表現に出会える場として展示・イベント活動などに取り組まれています。
現在は公募展「京都とっておきの芸術祭(※)」からセレクトしたコレクション展「Co-jin Collection(コジコレ)」の第5弾として「Co-jin Collection -コジコレ-No.5」を開催中です。
※「京都とっておきの芸術祭」…京都府内の障害のある方を対象とした公募展
会場風景
今回は“超二度見したい”をテーマにセレクトされた7名の作家の作品が並びます。
北村こう「放課後」 「ヴェッセン(パリ~下町の不良少年)」
お話を絵にするのが好きだという北村こうさんは、人の体に動物の頭を持った不思議な生き物が登場する油絵を描いています。
この生き物は“ヴェッセン”という人と動物の間の妖怪なのだそう。
生き生きと描かれたヴェッセンたちの様子から、彼らの物語が垣間見えるようです。
また絵具の中に砂や米粒、道明寺粉などを混ぜて描いているとのことで独特のテクスチャが魅力的です。
河田卓也「キレイな色のたのしいいきものたち」
カラフルな色使いで様々な動物たちが描かれた河田卓也さんの「キレイな色のたのしいいきものたち」。
鮮やかな色彩に惹きつけられますが、よーく目を凝らしてみてみると下書きの跡が残っていることが見て取れます。
大胆に描かれたようでいて、全体のバランスなどに気を使って描かれていることが分かります。
呉竹和江「逆さ富士(日本文様)」 「馬」
呉竹和江さんは様々な技法を用いて作品を作ります。
一見切り絵のようにも見える「逆さ富士」はアクリル絵の具で描かれた作品。
近づいてみると、盛り上げられた絵具や筆のあとなど“絵画”らしさを感じ取れます。
「馬」の作品はなんと、絵具の代わりにコーヒーを使って描かれた作品です。
コーヒーの粉を水に溶く濃度で、明暗を描き分けたそうです。
一見異なる作風ですが、“描くことの楽しさ”がどの作品からも伝わってきます。
南秀夫「太陽のはじまり」、スケッチブック、資料映像
南秀夫さんの作品はカラフルなモザイクのよう。
じっと見つめていると、空間がゆがむような不思議な気持ちになってきます。
展示されているスケッチブックの中にもぎっしりと作品が描かれているとのことで、隣のタブレットでスケッチブックの作品を見ることができます。
三島敏行「ライバル」
三島敏行さんの作品は、モチーフの上に描きこまれる不思議な文様と画面の端の単色のラインが印象的です。
画面の端にラインが引かれることで、同じ画面であるにもかかわらず、そのラインで次元が変わってしまうような、不思議な空間を生み出しています。
須賀壮久郎「ウェルカムおじさん」
須賀壮久郎さんの作品はメインとなるモチーフの周りに、小さいさまざまなモチーフや文字を描きこむことで楽しい世界観を作り上げています。
須賀さんのスケッチブック 作品の裏面には細かな文字が…!
実は作品の裏には、虫眼鏡を使わないと見えないような細かな文字で作品への説明文が描きこまれています。
山本太郎「森口りゅう二さんしりーず」 コーヒー・スリーブ
好きなものを絵にするという山本太郎さん。
エビフライ、ピザ、アイドル、おじさん…森口さんの“好き”が何度も繰り返し描かれます。
一枚の紙に描いた作品のほかに、コーヒー・スリーブに描いた作品も。
会場内には、“隠れコーヒー・スリーブ”もあるので探してみてください。
会場内は、7人の作家の作品が入り混じって展示されています。
技法やモチーフが近しいものが並べられていたりと、作品配置の意図に思いを馳せてみるのも楽しいです。
“超二度見したい”作品たちが並ぶ本展、是非じっくりと見つめてみてください。
「Co-jin Collection コジコレNO.5」
◆会期:4月16日(火)~6月2日(日)
◆時間:10時~18時 月曜日・5月3日(金)~5月5日(日)休館
◆料金:無料
art space co-jin(アートスペースコージン)
きょうと障害者文化芸術推進機構(事務局 京都府障害者支援課)が運営する、障害のある人の作品や表現に出会えるギャラリー。
絵画、写真、陶芸、インスタレーションなど様々な作品を展示するギャラリー活動のほか、イベント、ワークショップ、講座など、誰もが交流できる機会を創出しています。
住所:〒602-0853 京都市上京区河原町通荒神口上ル宮垣町83 レ・フレール1F
HP:http://co-jin.jp/