瀧澤長幸展　この、黒き光明

京都御所東の荒神口にある小さなギャラリー「art space co-jin」。
こちらでは障害のある人の作品や表現に出会える場として展示・イベント活動などに取り組まれています。
現在は、網膜色素変性症のため“ストローの穴”ほどしか見えない視野で鉛筆画を描く瀧澤長幸さん（1939年生・京都市在住）の個展「瀧澤長幸展　この、黒き光明」を開催中です。

会場内には、お寺や仏像、雉をモチーフにした鉛筆画が多数並びます。

その作品は一見写実的ですが、よく見てみると反り返った屋根、背後の巨大な月、部位ごとに異なるパースなど、どこかちぐはぐで不思議な世界広がっています。

「私の作品は、実際に見える景色ではありません。“こういう風に描いてみたい”という自分の気持ちから、自然に手が動くんです」と作者の瀧澤さん。

「影に感性を込めて描いています」という瀧澤さんの言葉のとおり、幾重にも幾重にも塗り重ねられた黒鉛の陰影が印象的です。

会場内では制作の参考に使われた写真や、制作風景の映像なども展示しています。
限られた視野の中から生み出された瀧澤長幸さんの独自の世界に、ぜひ触れてみてください。

「瀧澤長幸展　この、黒き光明」

◆会期：11月6日（火）～12月23日（日）
◆時間：10時～18時　月曜休館
◆料金：無料

art space co-jin（アートスペースコージン）

きょうと障害者文化芸術推進機構（事務局 京都府障害者支援課）が運営する、障害のある人の作品や表現に出会えるギャラリー。
 絵画、写真、陶芸、インスタレーションなど様々な作品を展示するギャラリー活動のほか、イベント、ワークショップ、講座など、誰もが交流できる機会を創出しています。

住所：〒602-0853　京都市上京区河原町通荒神口上ル宮垣町83　レ・フレール１F
HP：http://co-jin.jp/