【オススメのアートスポット紹介!Vol.26】京都文化博物館5F 「第40回 日本新工芸展」

【オススメのアートスポット紹介!Vol.26】京都文化博物館5F 「第40回 日本新工芸展」

第40回 日本新工芸展


近畿、中国、四国在住の会員、入選者を中心に陶磁、金工、染織、漆、木竹、人形、七宝、硝子などの工芸分野全般にわたる作品を展観する「第40回 日本新工芸展」近畿展を紹介します。発足以来、一貫して生活との調和、生活を豊かにする造形美の創造を追求してきた公益社団法人日本新工芸家連盟の作家の方々が生みだす作品の数々をぜひお楽しみください。(入場無料)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回、連盟理事で染色作家の内藤英治氏に、これから展覧会を観られる皆さまに鑑賞のポイントをおうかがいしました。

新工芸展も今年で40回を迎えています。
工芸作品が、生活の中に求められ豊かにするもの、美と生活の調和、造形美の創造を目指して邁進してきましたし、40回を機に更に充実した展覧会になるよう、出品作品のサイズを大きくするなど、より積極的な取り組み姿勢となっています。また、40回展に併せての企画として、明日の工芸文化を担う人材育成としての学生選抜展を同時開催し、意欲的な作品についても後段でご紹介します。

今年の第40回新工芸展では、井隼慶人氏の染色作品「夏のなごり」が、内閣総理大臣賞を受賞しています。植物園にあるガガイモの一本の茎に一枚の葉、その葉に一つの花が咲くという珍しい植物の形態、色の面白さを大胆な構図と色彩で生命力あふれる大画面に表現しています。



井隼慶人「夏のなごり」

 

日本新工芸家連盟会長の寺池静人氏の陶作品「初夏」は、池を凝縮した様なゆったりとした形態に、凛と咲く菖蒲を、氏独自の緑の釉薬と、金、銀色の葉が取り囲み、壺全体の色彩と相まって、悠久の時間を感じる作品となっています。


寺池静人「初夏」

京都市長賞を受賞している中野悟朗氏の陶作品「山の聲」は、山を想像するゆったりと、どっしりとした形態に、山の優しさを感じさせる或いは湧き出る雲を想像させる大らかな構図と配色が、山そのものが持つ優しさを表現している作品です。


中野悟朗「山の聲」

上野の森美術館賞を受賞している楮谷陽子さんの染色作品「風の誘い」は、絞り技法と藍染による藍濃淡で広々とした空や雲の表情を染め出しています。
麻布を2枚重ねて変幻する雲を表現。更には、雲を空中に浮遊する花に例えて、見上げる空に様々なイメージを広げさせてくれる作品となっています。 
上野の森美術館奨励賞を受賞している蔵田和枝さんの織作品「言葉を食べてく」は、ゆったりと流れ動く水槽の中のサンゴを食べる魚カゴカキダイの生態と表情を、明るく美しい色彩のつづれ織とサンゴの花を立体的に織り上げ、水槽の世界を調整している愛しさと尊敬の気持ちを時間空間の中に作り出しています。

楮谷陽子「風の誘い」

蔵田和枝「言葉を食べてく」

日本新工芸賞を受賞している木村雅子さんのガラス作品「光彩」は、重ね合わせた色ガラスを板状にして箱状に組み立てるという難しい技法を駆使して、独自の美しいガラス作品に仕上げています。

木村雅子「光彩」


第40回日本新工芸展に多くの皆様がご来場下さり、真の工芸美に触れて頂く事で、日本の工芸文化の高さ・美しさを実感して頂き、生活空間の中に還元できればと思います。

 

●第40回 日本新工芸展
 ◆会 期 平成30年7月31日(火)~8月5日(日)
 ◆時 間 午前10時~午後6時(最終日は午後3時まで 入場は閉館30分前まで)
 ◆会 場 京都文化博物館5階
 ◆料 金 無料
 ◆主 催 公益社団法人日本新工芸家連盟
 ◆後 援 文化庁、京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会、NHK京都放送局、
                 京都新聞、KBS京都
 ◆詳 細  公益社団法人日本新工芸家連盟HP  http://www.nihon-shinkogei.or.jp/
       電話 03-3828-5470


【同時開催】 第1回 日本新工芸学生選抜展(近畿地区)

40周年を迎えた公益社団法人日本新工芸家連盟は、新しい試みとして全国の高等学校、専門学校や大学等で工芸を学んでいる方々を応援するため、全国各地の学校から選抜された作品を展示する「第1回日本新工芸学生選抜展」を同時に開催します。あわせてお楽しみください。

こちらの見どころも、染色作家の内藤英治氏にお聞きしました。

第1回学生選抜展は、全国の高等学校、専門学校や大学等で、工芸を学ぶ生徒や学生の作品を各学校で選抜し、意欲的な近畿関係の作品も同時開催しています。
そうした中で、京都精華大学の大村恵さんの織作品「minute」は、2m×3mの横長大作で、流れ落ちる水を、紺色から水色に至る色彩とコイリング技法を使い、大きな滝を連想する意欲的な作品となり、ニューカラー写真印刷賞を受賞しています。
また、京都造形芸術大学の中平美紗子さんの織作品「蘇生」は、織り方の工夫で白色と半透明な白色に仕上げて模様を作り出し、命の動きを表現。生まれては消えていく生物の不思議に迫っています。奨励賞を受賞。


大村恵「minute」
中平美紗子「蘇生」



これらを含め近畿圏の6大学、専門学校がそれぞれに工芸美の追求をしており、競い合い、高め合い、素材と技法を使っての自己表現、美意識の向上発展に突き進んでいく姿勢に大いに期待するものです。