平成30年度 京都文化博物館・総合展示
「信長上洛~京都・織田信長入京から450年~」
織田信長の上洛は、日本史上の大きなインパクトとして広く知られています。
今回ご紹介する展覧会では、織田信長の上洛前後の様相を伝える古文書を中心に、当時の京都の世相を伝える資料が展示されます。
織田信長という人物とその行動は、後の世にどのように語られていったのでしょうか。
-展覧会構成-
〇信長上洛前夜
織田信長が現れる以前の京都では、混乱した政治状況が続いていました。
第13代将軍足利義輝の弟で、将軍への就任を画策する足利義昭は、美濃で織田信長と出会います。
「一乗院覚慶(足利義昭)禁制」永禄8年(1565)10月11日(京都府立京都学・歴彩館蔵)
〇信長上洛とその影響
永禄11(1568)年、織田信長は、足利義昭の求めに応じて京都の東寺に入り、諸勢力を制圧します。
将軍となった義昭は、信長の軍事力を背景に京都の秩序を回復させます。
「織田信長禁制」永禄11年(1568)9月日(京都府立京都学・歴彩館蔵)
『絵本拾遺信長記』より「信長上洛を恐れて三好の凶徒四国へ落る」享和3年(1803)刊(京都府立京都学・歴彩館蔵)
〇その後の「織田信長」と京都
義昭を追放し、抵抗する諸勢力を駆逐しつつ独力で政治運営を進める信長は、京都本能寺にて明智光秀に討たれ、その生涯を終えます。明治時代になると、織田信長を勤王の武将として称賛する動きが持ち上がります。
★学芸員さんに聞きました!展覧会の見どころ
「今年は織田信長が足利義昭を奉じて上洛を果たしてから450年になります。織田信長は旧来の秩序を破壊して新しい時代を切り開いた改革者としてのイメージが大きいのですが、近年の研究では信長は必ずしも旧体制の破壊者ではなかった事が示されています。ですが、人びとが織田信長という武将に託してきたイメージは少し違うのではないでしょうか。
この展覧会では、織田信長上洛前後の京都の様子がうかがえる古文書などのほか、後世における信長のイメージを決定づけた書籍、そして明治時代になって京都の人びとが織田信長に抱いた思いを知る事ができる資料など47点を展示します。信長上洛から450年を迎えるのを契機として、織田信長という人物が京都に及ぼした様々な影響について思いを馳せていただければ幸いです。」
(京都文化博物館 学芸員 橋本 章 氏)
<展覧会概要>
会 期:平成30年7月7日(土)~9月2日(日)(前期 7月7日~8月5日/後期 8月7日~9月2日)
会 場:京都文化博物館2階総合展示「京の至宝と文化」南室
<関連催事>
特別講演会「信長上洛の歴史的インパクトを考える」
日 時:平成30年7月8日(日)午前10時30分~12時
会 場:京都文化博物館3階フィルムシアター
講 師:
基調講演 松下 浩 氏 (滋賀県教育委員会)
対談(パネリスト)松下 浩 氏 (滋賀県教育委員会)
大塚 活美 氏 (京都府立京都学歴彩館)
司 会:橋本 章 氏(京都文化博物館)
定 員:160名、先着順
参加費:500円 ※総合展示入場券[半券可]が必要です。
申込み方法:要事前申込み
京都文化博物館ホームページ「総合展示イベント申込フォーム」からお申し込みください。
※先着順。参加者1名ごとにお申し込みください。
ギャラリートーク
日 時:7月13日(金)・8月10日(金)各 午後6時~
場 所:京都文化博物館 2階総合展示室内
※事前申込み不要 当日の入場者に限ります。