2020京都&滋賀 注目の展覧会②

2020京都&滋賀 注目の展覧会②

あけましておめでとうございます。2020年も「ことしるべ」をよろしくお願いします!
今年も京都・滋賀では注目の展覧会が盛りだくさん。ぜひ見ておきたいものを開幕日順に紹介します。
第1弾はこちら


◇開館60周年記念名品展Ⅰ モネから始まる住友洋画物語
3月14日~5月17日 泉屋博古館


クロード・モネ《モンソー公園》1876年

明治時代後期に近代企業としての住友グループの礎を築いた第15代当主・住友吉左衞門友純(号:春翠)は、日本にまだ西洋美術館がなかった時代にクロード・モネやジャン=ポール・ローランスなどの作品を収集し、自宅に飾りました。この自宅は公開され、多くの日本人画家に影響を与えました。さらに、浅井忠や鹿子木孟郎、黒田清輝を積極的に支援し、彼らを起点に、日本の「洋画」を切り開いた画家たちの作品を収集しました。その後、コレクションは春翠の子息たちに継承され、岸田劉生や梅原龍三郎、熊谷守一らの優品を加えて現在に伝えられています。モネからはじまる住友洋画コレクションを一挙に公開します。

◇MIHO MUSEUMコレクションの形成―日本絵画を中心に―
3月14日~6月7日 MIHO MUSEUM


伊藤若冲「象と鯨図屏風(右隻)」1795(寛政7)年 MIHO MUSEUM蔵

1997年の開館以来、世界の古代遺物や我が国の古代から江戸時代に至る幅広い分野のコレクションを公開してきた同館。本展では、日本美術をテーマに約70件の作品を通して、コレクションの形成発展の様相を展望します。展示は桃山から江戸時代の日本絵画を中心に構成され、これらに大きな影響を与えた中国の絵画をあわせて展観することにより、桃山から江戸時代の文化が中国的な教養と王朝的な教養、仏教的な教養を基礎として、日本独自の創造を生み出していった様を通観することができます。「聖なるもの」「美しきもの」を求めて形成されたMIHOコレクションから、初公開34件を含む日本古美術の精枠をご覧ください。

◇リサ・ラーソン―創作と出会いをめぐる旅―
3月21日~5月31日 滋賀県立陶芸の森陶芸館


リサ・ラーソン 大きな動物園シリーズ ネコ 製造年1958-79 グスタフスベリ社 リサ・ラーソン蔵 ⒸLisa Larson/Alvaro Campo

愛らしい表情の動物や子ども、テーブルウエアなど、数多くの名作を生み出した世界的な陶芸家リサ・ラーソン(1931年生まれ)。リサは、なぜこれほどに多くの人々から惹かれるデザインを生み出すことができたのでしょうか。本展は、スウェーデンにあるリアン・デザイン・ミュージアムのルーヴェ・イョンソン館長が企画監修し、リサの新たな魅力とアイデアの源泉に迫ります。また、グスタフスベリ社の同僚である北欧のデザイナー、スティグ・リンドベリや日本の陶芸家、濱田庄司やアメリカ現代陶芸のパイオニア、ピーターヴォーコスのほかリサの身近で感化しあったアーティストたちの作品をあわせて展観します。子ども向け企画として絵本「ナイト・キャット」を聞いて「お話絵皿をつくろう!」を実施します。

◇京都新聞創刊140年記念 特別展 京都 祇園祭―町衆の情熱・山鉾の風流―
3月24日~5月17日 京都文化博物館


祇園祭礼絵巻(部分) 1848(嘉永元)年 冷泉為恭筆 國學院大學博物館蔵

日本の政治、経済、文化の中心地として永らく栄えてきた千年の都、京都。その京都の都市としての精神を支えてきたのが祇園祭です。都に起こる災厄をはらい、市民に安寧を与え、それはやがて町衆のエネルギーとなって山鉾巡行へと結実しました。
本展では、山鉾を飾る舶来の希少な懸装品や、京都の技術と芸術の粋を結集した山鉾の装飾品を一堂に紹介。祇園祭の全貌を示すとともに、山鉾に込められた物語やその歴史、都の人々が心を寄せてきた祇園祭の本質にも迫ります。
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◇森口邦彦 友禅/デザイン―交差する自由へのまなざし(仮称) 
5月23日~7月12日 京都国立近代美術館


森口邦彦 《白地位相割付文 実り》 2013年 三越伊勢丹ホールディングス蔵

友禅の技法で人間国宝の認定を受けている森口邦彦氏。森口氏はパリで学んだグラフィック・デザインの思考と幾何学文様を大胆に組み合わせることで、伝統工芸の「友禅」にとどまらない新しい創作の可能性を開いてきました。歴史的に積み重ねられてきた技と感性を出発点に、着物制作から三越のショッピングバッグに代表されるデザインワークまで、森口氏の創作はかつて友禅が担ったモードを生み出す役割の現代版といえます。本展では初期から現在までの代表作を通じて、友禅とデザイン、伝統と現代、東洋と西洋などがさまざまに交差して生まれる森口邦彦氏の創作活動の全貌をご紹介します。

◇特別展 舞妓モダン
10月6日~11月29日 京都文化博物館


竹内栖鳳「アレ夕立に」1909(明治42)年 高島屋史料館蔵

「舞妓」はいまや京都を代表する文化の一つとして知られています。しかし、その詳細は意外にも知られていません。どのようにして舞妓は京都のシンボルとなっていったのでしょうか。本展では、芸舞妓の誕生から、近代京都でシンボルとして成長していく過程を絵画作品や風俗、映画、歴史資料など約120点でひもときます。重要文化財の黒田清輝「舞妓」をはじめ、舞妓を妖艶に描いた岡本神草の「口紅」などの名画の数々と、結髪や衣装なども交えて多面的に紹介します。ぜひ芸舞妓の世界をご堪能ください。