「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」
記念講演会「AIとVRによる源氏絵の研究と鑑賞」
灯明で見る「源氏物語図屏風」のVR鑑賞体験
9月1日に京都文化博物館6階和室で、恵泉女学園大学人文学部・稲本万里子教授と東京工業大学情報理工学院・小長谷明彦教授による記念講演会「AIとVRによる源氏絵の研究と鑑賞」と、灯明で見る「源氏物語図屏風」のVR鑑賞体験イベントが行われました。午前・午後の2部制での開催でしたが、事前の申し込みで各回とも早々に40人の定員に達し、皆さまのテーマに対する期待の高さがうかがえます。
第1部の記念講演会では、「なぜ、美術史研究でAI・VRなのか?」という疑問に答えるさまざまな理由を、稲本教授と小長谷教授が分かりやすく解説されました。最先端IT技術を用いることで、源氏絵の流派推定やくずし字の解読などを推し進め、源氏絵研究のさらなる発展に寄与していくこと。また、「蛍光灯ではなく灯明の光で源氏絵を鑑賞したい」「『源氏物語』の六条院の世界を再現したい」という思いを仮想現実(VR)で実現することなど、AIとVRを活用することで源氏絵の研究と鑑賞の幅が格段に広がることを話されました。
第2部では、講演会でも解説があった「灯明で見る『源氏物語図屏風』のVR鑑賞」を参加者が実際に体験しました。ゴーグルを着けるとほの暗い部屋に屏風が見え、手に持ったコントローラーを屏風へ近づけるとVR上で再現した灯明が源氏物語図屏風を照らし、絵が見えてきます。VR上では屏風が制作された当時の金箔が復元されており、展示場での鑑賞とは異なる鑑賞体験に参加者の多くは満足された様子でした。
「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」はVRを駆使した展示なども見どころの一つ。
9月29日まで開催の本展にぜひお越しください。
★こちらのサイトからも展覧会情報をご覧いただけます!! ・東京富士美術館 ・ |