関連イベントレポート
北野天満宮 神宝が語る千百年史
3月24日(日)、「北野天満宮 信仰と名宝―天神さんの源流―」関連イベントとして、本展担当学芸員の西山剛氏による講座「北野天満宮 神宝が語る千百年史」が行われました。
北野天満宮の沿革、本展の概略を皮切りに、現在は「学問の神様」として有名ですが、区別することなく、それぞれの時代の願い事を反映してきた北野天満宮の姿。神と仏が混じり、矛盾なく存在する空間で、まさに「神仏習合」の聖地としての様子についての解説。
続いて、その北野天満宮の祭神・菅原道真公が天満宮に祀られる次第を中心に、神威・神徳を記述した「北野天神縁起」についてもお話しいただきました。
最初は文字のみだったものが、イマジネーションが加わり、絵画化した絵巻や掛け軸なども制作され、その初期のものが現在展示されている国宝の承久本。なぜか天満宮ができていく様子が描かれないまま未完に終わっている謎の多い作品です。その他の北野天神縁起を含めて、歴史的には、読み読まれるもの、祭祀を行う上で利用される「根本テクスト」として利用された、とのことです。
約1時間半にわたり、北野天満宮の成立の話を交えて、参考資料・画像とともに興味深いお話が続きました。
「北野天満宮 信仰と名宝―天神さんの源流―」は京都文化博物館にて4月14日(日)まで開催。
※展覧会図録には、土佐光信筆「北野天神縁起絵巻」を用いて、天神縁起のダイジェストが掲載されています。こちらにもご注目ください!