トークイベント「陶芸の魅力について語ろう」
11月4日(日)午後2時より、現在開催中の「創立60周年記念 京都伝統陶芸家協会展」のトークイベントが、展覧会会場の白沙村荘 橋本関雪記念館2階展示室で開催されました。
写真左より九世 高橋 道八 氏、三浦 竹泉 氏、四代 諏訪 蘇山 氏、三浦 實登里 氏
三浦竹泉氏より、「職人の仕事を誇りとしている。”先生”と呼ばないでほしい」という発言と、当初24名のメンバーで始まった会が発展して60年の歴史を刻んできた経緯と感謝の気持ちを参加者に伝えられたところからイベントが始まりました。
三浦竹泉氏に続いて、高橋道八氏、諏訪蘇山氏、三浦實登里氏もそれぞれ自己紹介を兼ねて、会に対する思い、陶芸に対する思いを語っていただき、その後は個々の作品の前で作品解説をしていただくこととなりました。
三浦 竹泉 氏 (写真:右)
使いやすいかどうか手にとっていただけないのが残念ですが、自分らしいものを並べてみました。
今回の展覧会では、それぞれの作家のお家芸、伝統そして個々の個性がでています。それを楽しんでください。
四代 諏訪 蘇山 氏
主に青磁を作っています。時代を経て材料や窯も変わりましたが、初代が研究した青磁の色にこだわっています。割ると断面も青いですよ。
九世 高橋 道八 氏
(光沢のある黒の水指について)七世 髙橋道八の頃くらいから使っている釉薬で、最近、「道八黒」 と言っていただいています。
(鉢呉須安南手について)割と暗い感じの呉須ですが、自分の好きな色で、試行錯誤する中で決めた作品です。
この後、会場にいらっしゃった出品作家の方々にも飛び入りでご自身の作品について語っていただきました。
杉田 祥平 氏
(金の表現が特徴的という指摘に対して)作品作りの8割くらいがお茶関係です。
わびの世界に配慮して、おかしな光り方がしないようにしています。
三代 澤村 陶哉 氏
様々なご依頼、初代からの流れを自分なりに咀嚼して新しいやきものを作っています。
天目の釉薬に金銀彩をつけた作品を今回展示してみました。
今回見ていただけないのですが、蓋の裏にもこだわりがあって、開けてみて初めて「あっ」と思う世界があったりします。
宮川 真一 氏
(宮川香齋氏の作品を前に)宮川家の伝統はワラ灰釉を使うことで、焼きあがると青味がかった色になるのが特徴になっています。
今は海外向けの展開も少しずつ行っています。
今回、白沙村荘 橋本関雪記念館のご厚意で、トークイベントにお越しになられたお客様にだけお見せする形で、本展にゆかりのある作家のやきものと橋本関雪の絵・文字の共同作品を特別に展示いただきました。
二代 三浦 竹泉の作品に橋本関雪が絵を入れていた作品などを前にして、箱書きの説明をしてくださる三浦 竹泉 氏
トークイベント終了後、さらなる同館のご厚意で、「名作の帰還」アンコール展示を行っている1階に会場を移し、橋本関雪作品の解説もしていただきました。
展覧会は今月11日(日)まで開催しております。
ぜひ、この機会に会場で京都の陶芸の素晴らしい世界をご堪能ください。