~特別企画 世界の形象土器展~特集vol.1「メキシコ」

~特別企画 世界の形象土器展~特集vol.1「メキシコ」

滋賀県立陶芸の森で好評開催中の特別企画「世界の形象土器」展。
本展で展示されている形象土器を、国別に紹介していきます。
今回は「メキシコ」です。

メキシコ・メテペック
メキシコシティに近いメテペックは、メキシコの中でも重要なやきものの町です。
メキシコのやきものの多くが、スペイン人らがこの地に足を踏み入れる以前から、先住民族によって作られていたやきものの技術に、ヨーロッパからの文化が融合して生み出されたものです。
メキシコの民衆芸術に魅せられた画家利根山光人は、「メテペックの陶器は形からいっても、彩色から見ても、まことにユニークで強烈だ」(註)と記しています。
「生命の樹」と呼ばれる作品が最も知られ、太陽をかたどった壁掛け用の大型作品も、鮮やかに彩られラテンの迫力を感じさせます。


目を刺すような鮮やかな色で装飾されたウマは、表情がユーモラスでなんだかとても楽しそうです。
馬のほか、牛やライオン、人魚などの種類が多彩で、極彩色に彩られ華やかな模様が施されています。

メキシコ・トナラ

トナラは、世界的にも知られたメキシコのやきもの町です。
型成形された動物の置物には、アヒルや魚、フクロウなどがあります。
絵付けは、花模様や動物の絵をさまざまな色を用いて丁寧に描かれています。
特徴的な香りを放つ土に、磨く技法を融合させることで光沢をもたせたやきものです。

 

註)利根山光人『メキシコの民芸』株式会社平凡社,1972