手塚治虫の「ブッダ」と辿る お釈迦さんヒストリー 第3話 『初転法輪』

手塚治虫の「ブッダ」と辿る お釈迦さんヒストリー 第3話 『初転法輪』


ついに悟りを開いたお釈迦さんですが、多くの人々にとって悟りの内容が難解すぎると考え、説法をすることを躊躇していました。そこへブラフマー神(梵天)が現れ、教えを広めるよう懇願します。それを受け入れたお釈迦さんは、かつてともに苦行を行った5人の仲間を最初の説法の相手と決め、彼らがいるサールナート(鹿野苑)へと赴きました。手塚治虫は、この初転法輪を「鹿に対する説法」として、独創的な表現を行いました。実際、ガンダーラなどで制作された初転法輪の場面では、台座に鹿の姿が表現されることが多く、この場所が鹿野苑であることを示す重要な役割を果たしています。

上から順に、
○仏伝浮彫「初転法輪」ガンダーラ(2~3世紀)東京国立博物館
○「ブッダ」1972年9月号~1983年12月号『希望の友』~『少年ワールド』~『コミックトム』連載 ©手塚プロダクション