「第102回 二科展」作品紹介の4回目は写真部から、クリエイト賞受賞の常石由美子さん『駆動』です。
常石さんの息子さんは、JRAの福永祐一騎手と同期で「花の12期生」と騒がれた常石勝義さんです。
GⅠレースも制し第一線で活躍されていましたが、二度の落馬により高次脳機能障害となり、余儀なく引退されました。
作家より
「二科展で「クリエイト賞」という大きな賞をいただき感謝です。
カメラを持ち始め4年になります。きっかけは、元JRA騎手の息子(勝義)でした。
息子は平成16年に落馬し高次脳機能障害となり、引退しました。
しかし、やっぱり好きな馬から離れられず、馬に接していると元気になりパワーアップするので、障がい者乗馬をはじめました。
やがて大会に出場し、パラリンピックを目指したいと目標を持つようになりました。
左上下肢に麻痺・左半側空間無視・記憶障害・遂行障害などがあり、乗馬のために困難を克服するのに苦労しています。
騎手姿勢が片側に寄ってしまいバランスが崩れる。前屈姿勢になる。
その他、注意をしても馬乗りだった自信があるために自分では気付かず、写真を撮って見せることにしました。これがカメラとの出会いです。
愛馬との触れ合う様子やその時にだけ見せる笑顔をシャッターチャンス!
息子自身ができなかったことを馬が理解し動いてくれるようになり、最高のパートナーとなっていく様子を見逃さずにピントを合わせています。
馬の持つ秘めた魅力を見つけ出したいと思い、シャッター音を響かせ、馬と息子を追っかけする日々です。」
作家プロフィール
常石由美子
1950年 大阪府生まれ
草津市在住
NPN西岡伸太写真塾・みずの森写真クラブ
・受賞歴
2017 第102回二科展 写真部 クリエイト賞
2017 第56回滋賀県写真展覧会 特選・琵琶湖芸術文化財団理事長賞・甲賀市教育委員会教育長賞
2016 第41回JPS展 東京都知事賞
2016 守山市美術展覧会 特選・守山市民新聞賞
2015 草津市美術展覧会 特選
2014 草津市美術展覧会 特選