「第102回　二科展」　作品紹介　vol.2

「第102回　二科展」特集2回目は、デザイン部から、Ｂ・Ｄ部門で会員賞受賞のミルヨウコさんの作品紹介です。

作家より
　デザイン部では、キャプションに題名を表示しませんが、絵の裏には題名が書かれています。
　この絵の題名は、「目覚めの刻（とき）」です。

　構想を始めた時期、私は体調がすぐれず、気分も鬱々とした日々で、停滞感を感じていました。
　そこで、描きながら、自分自身を励まし、動くことができるようになっていく絵を描こうと思いました。

中心のモチーフ：時計
　眠っているような自分を目覚めさせたい。
人物の体と褥：花
　この状況が、単なる停滞ではなく、後に花開くための準備だったのだと受け取れるような未来になるように。
時計に流れ込む歯車：
　私に力が足りなければ、周囲に助けられるように。
時計からこぼれる花びら：
　元気になった暁には、周囲に感謝を配れるように。
アクセントの青色と銀箔：
　困難な状況でも、いじけず、明るい青空とその向こうにある星を目指せるように。

　きっちりこのように決めてから描き始めたわけではなく、描きながら考えたり、絵の効果上加えたものもあります。
　この絵を描き上げたとたん、私は元気になりました……などというドラマチックなことは起こりませんでした（笑）。
　けれども、この絵によって賞をいただき、私の時計は少しずつ動き始めたようです。

作家プロフィール

ミルヨウコ
大学院博士課程哲学専攻修了
英国美大にてVisiting Professorとして研修
二科会デザイン部会員
画家・イラストレーター
京都市在住

・受賞歴
２０１７第１０２回二科展デザイン部会員賞
２０１０第９５回二科展デザイン部会友賞
２００７第９２回二科展デザイン部特選賞
２００６第９１回二科展デザイン部特選賞
２００５第９０回ニ科展デザイン部京都新聞社賞
２００５第３回ポストカードデザイン大賞奨励賞
２００４第８９回二科展デザイン部奨励賞
２００４第３９回関西二科展デザイン部関西ニ科賞
２００３第８８回二科展デザイン部奨励賞
２００２第１回京都デザインビエンナーレ奨励賞

・入選
２０１３『詩とファンタジー』イラストレーション公募／かまくら春秋社日本
２００３ Spectrum 10／Underwood Book アメリカ
２００２ 6e Biennale Internationale d'Art Miniature／Salle Augustin-Chenier カナダ
２００１ 21st Mini Print International Cadaques／ADOGI Taller Galeria Fort スペイン
２０００ 14th Mini Print International Exhibition／Studio School & Art Gallery アメリカ

・主な展覧会
２０１７ Group Show a #1（グループ展）／アート・アイガ／東京
２０１７アートポジションW（グループ展）／セントラルアートギャラリー名古屋
２０１６ファンタジックアート展（グループ展）／ドラードギャラリー東京
２０１５ ROME凱旋展（グループ展）／ドラードギャラリー東京
２０１５ Japanese Artist in Rome Exhibition(グループ展）／Centro Studi Cappella Orsini イタリア・ローマ
２００３～現在二科展／国立新美術館・東京都美術館・全国巡回
２００３～現在、毎年４月関西二科展／京都市美術館
２００８～２０１０、毎年２月春季二科展／東京都美術館
２０１３～現在、毎年１１月「アート実験室」（グループ展）／ギャラリーhokk 大阪
２００４～２０１２、毎年１１月「フリーAr〈ケッ〉t」（グループ展）ギャラリーhokk・ギャラリー千スペース
２０１５、毎年１０月「方言展」（グループ展）ギャラリーhokk 大阪
２００７～毎年（２０１２・２０１５年を除く）、毎年１０月「関西弁１００人展」（グループ展）／ギャラリーhokk 大阪
２０１０・２０１１　「切手展」（グループ展）／ギャラリーhokk 大阪
２００８　「１インチ展」（グループ展）／ギャラリーhokk 大阪
２００７２人展（池田裕美さんと）／ASPHODEL 京都
２００１・２００２「小さな小さな大展覧会」（グループ展）／ギャラリーペーパー・ボイス大阪
２００３「二科会デザイン部関西支部展」（グループ展）／ギャラリーふくしま大阪
２００３「どきどきハート展」（グループ展）／京阪百貨店守口店