展覧会の音声ガイドを担当していただいた落語家・桂そうばさんをお招きしての特別イベント「桂そうばのアート・トーク×落語」が行われました。
第1部 本展覧会担当学芸員とのアート・トーク
展覧会を鑑賞された桂そうばさんのお気に入りの作品をいくつかあげていただき、トークが進行しました。
音楽は激しいロックが好きですが、静かなこの作品が好きです、と最初にあげられたのが、小野竹喬の「夕空」。
裸婦のコーナーからは、モデルが「(ある有名な卓球選手に似ていて)これぞ日本人」という理由からの和田英作の「裸婦」。
あわせて「60年前に日本人がこの絵を描いたことに驚く」と、藤田嗣治描いた裸婦像「EVE」という、両極端な2作品について語られました。
風景画では、「富士山の概念をぶっ壊している」から、と梅原龍三郎の「富士山図」が気になった、とのこと。
本展のポスターにも取り上げた、岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」については、「昔、教科書で見た絵よりかわいい」という感想を持たれました。
また、売店で「肩掛け」が販売されていたことや、本展の「集まれ れいこ」キャンペーンについても「驚いた」とおっしゃっていました。
画家や研究家、専門家による話とはまた違う、自分なりに「絵画を愉しむ」目線による面白いトークが展開されました。
また、竹内栖鳳の5羽の雀が描かれた「秋圃」が古典落語の「抜け雀」の世界そのままに思えた、と落語家さんならではの視点も興味深いものでした。
第2部 落語
「抜け雀」は稽古が間に合わず、今回できません(笑)、とうことで披露されたのは商売下手な道具屋が仕入れた太鼓をめぐる古典落語「火焔太鼓」。
トークも落語も大いに笑ったイベントとなりました。
展覧会は12月3日(日)まで開催中です。
ぜひ、そうばさんお気に入りの作品にも注目しながらご鑑賞されてはいかがでしょうか!