●「マグナム70年の歩み」 講師:小川 潤子氏(マグナム・フォト東京支社)
本日より京都文化博物館で開幕した「世界最高の写真家集団マグナム・フォト創立70周年 パリ・マグナム写真展」。
開幕を記念して、同館にマグナム・フォト東京支社の小川潤子氏をお招きして、「マグナム70年の歩み」と題した講演会が行われました。
創立メンバーのロバート・キャパ、アンリ・カルティエ=ブレッソンが出会うまでの話を皮切りに、マグナムの歴史、会員制度と現在日本人は一人しかいないという会員になるためのシステムについての説明から、マグナム・フォトの事務所スタッフの業務についてまで、幅広く興味深いお話を聞かせていただきました。
キャパと女優イングリット・バーグマンとのロマンス、キャパから彼女の愚痴を聞いたヒッチコックが自身の名作「裏窓」制作のヒントにした逸話なども交えながら、講演に合わせてフィルムシアターの大スクリーンに写されるマグナムの歴史に残る作品の数々がとにかく圧巻。
また、京都が会場ということで、キャパが撮った子どもたちの鴨川遠足の様子ほか、ブレッソン、エリオット・アーウィット、デニス・ストック、ワーナー・ビショフらが撮影した京都の景色、人々の様子をまとめてスクリーンで観ることができたのも貴重な時間でした。
70年前にマグナムが誕生したことで、報道の記録性と芸術性が融合したドキュメンタリー写真の地位が高められた成果が非常によくわかる講演会でした。
その歴史の中で、写真発表の仕方を時代とともに変えてきたマグナムは、現在は外部資本も入れ、発表の場を展覧会、写真集・雑誌にとどまらず、自分たちが「媒体」となるウェブサイトを立ち上げることで、さらに活動を活発化させている、とのことです。
本展にて、ぜひ、マグナムの写真家たちの活動をお楽しみください。
会期は9月18日(月・祝)まで。
3階総合展示室の「近代京都のまなざしー写真にみる都の姿ー」も開幕しました。
古写真にうつる京都の街並み、人々の様子もぜひ一緒にお楽しみください。
[ことしるべ]では、今後、展覧会の見どころ、注目作品の紹介、関連イベント紹介・報告などをこちらの特集コーナーで公開していきます。
ご期待ください。