髙島屋のもとに集った美術家たち―永樂善五郎(十四代)―

約500年前に初代善五郎が千利休の師である武野紹鷗好みの土風炉(どぶろ・茶の湯で湯を沸かすために使用する土の炉)を制作したことから、細川三斎や小堀遠州といった大名茶人と交流を深めていった永樂家。四代宗雲の時代には、千宗旦との交流を通して千家茶道との結びつきをより強くしていきました。現在では千家流茶道の道具類を制作する千家十職の一つである永樂家は代々”京焼”を生業としてきました。京焼といえば、仁清や乾山などの優美な作品を創造される方も多いのではないでしょうか。しかし、永樂家では依頼主の期待に応える作品を制作していくうちに、唐物や高麗物、日本各地の作風を取り入れ、常に新しい京焼の世界を切り開いているのです。

本展では、「〈特別展示〉豊田家・飯田家 寄贈品展」として、髙島屋創業家である飯田家からトヨタ自動車創業家の豊田家に嫁いだ二十子(はたこ)氏の婚礼衣装や豊田家、飯田家それぞれから髙島屋史料館に寄贈された美術品も特別に展観します。十四代永樂善五郎「紫交趾写焼物皿」も豊田家から寄贈された作品の一つ。京焼の優美さをたたえつつ、中国古来の技法である三彩釉や九谷焼などの大胆さを感じさせる逸品です。会場ではそれぞれの作品が髙島屋へ納められた時のエピソードも紹介されています。ぜひご覧ください!
 

本展は、3月29日~4月10日、京都髙島屋グランドホールで開催。
次回は京都画壇を代表する人物の一人、竹内栖鳳の作品を紹介します。

作品:永樂善五郎(十四代)「紫交趾写焼物皿」 豊田家寄贈