髙島屋のもとに集った美術家たち―横山大観―


生涯で2000点を超える富士山を描いた近代日本画の巨匠、横山大観(1868~1958年)。大観は、岡倉天心らが創設した東京美術学校を卒業後、京都市立美術工芸学校の教員となりました。教員を辞職後には東京に戻り、日本美術院の創設に参加。その活動の中で下村観山などと交流し、西洋画の研究などを進める中で日本画で重要とされてきた輪郭線を極端に抑えた没線描法による作風を確立しました。日本美術院の活動は一時途絶えるものの、1914年には大観らの尽力により再興。美術院再興の資金作りにあたっては、小杉放菴らと髙島屋の浜寺(大阪)の別荘に2ヶ月間滞在して作品制作に没頭しました。以前から日本美術院の画家たちと交流の深かった髙島屋では同年に大阪店を会場に再興院展を開催。髙島屋では現在でも毎年、各会場で再興院展を開催しています。

本展では大観が81歳のときに描いた「蓬莱山」をはじめ、院展再興に邁進する中で下村観山、今村紫紅、小杉未醒(放菴)と描いた共作「東海道五十三次絵巻」(複製)などを展観。会場ではそれぞれの作品が髙島屋へ納められた時のエピソードも紹介されています。ぜひご覧ください!

本展は、3月29日~4月10日、京都髙島屋グランドホールで開催。

作品:横山大観「蓬莱山」昭和24