開催期間:2021年6月5日(土)~2021年7月19日(月)
和装離れが進む現代においても、ファンを増やしている夏の涼衣、ゆかた。本展では江戸時代のゆかたから、鏑木清方など近代の画家がデザインしたゆかた、昭和の人間国宝のゆかたなど様々な作品とともに、染めに使われる型紙や当時の風俗を描く浮世絵を併せて展示します。
ゆかたは、江戸時代に入浴後のくつろぎ着として着られるようになり、やがて夏の気軽な外出着として定着しました。素材も麻から木綿へ変化する中で、「型染」や「絞り」など染めの技法が発達し、ゆかた独自の「いき」な図案が誕生します。
本展では素朴でありながら繊細さを兼ね備えたゆかたの魅力を、デザイン性と遊びの要素から紐解きます。
《白木綿地網魚介模様浴衣》 江戸時代(18世紀後半~19世紀前半) 松坂屋コレクション J.フロント リテイリング史料館蔵〔後期展示〕
〇ゆかたの源流〇
江戸時代の浮世絵には、湯上りの色っぽい遊女や、粋な歌舞伎役者らのゆかた姿が多くみられます。ゆかたの意匠には特定の役者を示す紋や、ゆかりのモチーフがさりげなく使われていたりと、遊び心満載です!
ゆかたが町方に定着した江戸時代中期は町風呂が広がった時期でもあります。浴後のリラックスした気分に相応しい大胆な意匠がみられるようになります。
三代歌川豊国(国貞) 《四条河原夕涼之図》 江戸時代 嘉永2年(1849) 個人蔵 [通期展示]
《白麻地紅葉筏模様浴衣》 江戸時代(18世紀前半) 個人蔵 [前期展示]
〇型紙の美〇
江戸時代のゆかた大流行の背景には、木綿と藍染の普及がありました。シンプルな素材に究極の技が組み合わされ、ゆかたはまさに「いき」の美意識の結晶でした。そんな染めに欠かせない型紙「伊勢型紙」も今回は展示いたします。
〇昭和のモダンテイスト〇
昭和時代前半のゆかたには、江戸時代後期以来の伝統的な意匠にかわり、より身近で夏らしい題材がみられるようになります。また、バラなど西洋のモチーフや幾何学模様などを取り入れた、アール・デコの影響の色濃い斬新なデザインも流行しました。
《白紅梅織地朝顔麻葉模様浴衣》 昭和時代(20世紀前半) 東京都江戸東京博物館 [後期展示]
《紺木綿地団扇模様浴衣》 大正~昭和時代(20世紀前半) 東京都江戸東京博物館 [前期展示]
〇人間国宝のゆかた〇
昭和30年にゆかたを染める「長板中形」の技術が重要無形文化財として指定されました。その技術の人間国宝に認定された、清水幸太郎と松原定吉の作品を公開します。
【イベント】 ●受付終了しました●特別講演会「ゆかた-夏の楽しみ・くつろぎの美」(40名定員) ●受付終了しました●研究会「型紙と型染」(無形文化遺産〔伝統技術〕の伝承に関する研究会Ⅳ) 日時:7月4日(日)10時30分~ ※予約優先 ●学芸員による作品解説 ※予約優先 |
開催期間 | 2021年6月5日(土)~2021年7月19日(月) |
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時間 | 10時~17時(入館は16時30分まで) |
休館日 | 月曜日(7月19日は開館) |
会場 | 住友コレクション 泉屋博古館 京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24 |
ホームページ | https://www.sen-oku.or.jp/kyoto/ |
料金 | 一般800円、高大生600円、中学生以下無料 ※障害者手帳ご提示の方は無料 ※本展覧会の入場料で青銅器館もご覧いただけます ★リピート割★ 本展会期中、2回目ご観覧時に1回目の半券ご持参で1名様1回限り半額料金でご覧いただけます。 ★ゆかた割★ ゆかた・きものでご来館の方は2割引。 ★=他の割引との併用不可 |
お問い合わせ | 泉屋博古館 電話:075-771-6411(代) |
主催/後援など | 主催:泉屋博古館、朝日新聞社、京都新聞 協力:東京文化財研究所、三重県立美術館、伊勢型紙技術保存会、松原伸生 後援:京都市、京都市教育委員会、京都市内博物館施設連絡協議会、公益社団法人京都市観光協会、NHK京都放送局 企画協力:イデッフ |
備考 | ※新型コロナウイルス感染症予防のため、予定を変更・中止する場合があります。同館HP、Twitter、Facebook等で最新情報をご確認ください。 |