開催期間:2019年6月8日(土)~2019年7月15日(月)
江戸時代中期(18 世紀)に、京都で活躍した蒔絵師・永田友治。その作品は、尾形光琳風の意匠に倣い、独自の技法を用いて漆工芸史上にしっかりと足跡を残しています。
しかしその実像ははっきりせず、謎に包まれています。本展では、多くの友治作品を展観し、化学分析による研究成果も交えて知られざる謎の蒔絵師「永田友治」の魅力にせまります。
永田友治(ながたゆうじ)は、江戸時代中期、正徳・享保年間(1711-1736)ころ京都で活躍した琳派の蒔絵師と伝えられていますが、その実像ははっきりしません。
謎の多い人物ですが、彼の作品は尾形光琳(1658-1716)風の意匠に倣い、独特の青漆(緑色系)や友治上げと呼ばれる錫粉を使った高蒔絵を用いる独創的なものであり、しかも、彼は尾形光琳の使用した「方祝」の円印や、光琳の号「青〃」に「子」を加えた「青〃子」号を使用するなど、光琳の後継を強く意識した名を作品に残しているのです。
◆◆展示構成◆◆ 1章 謎の蒔絵師 永田友治 2章 友治盃金弐両 ―盃の友治 3章 只今大坂伏見町住居候 ―合金粉の謎にせまる 4章 琳派ムーブメント(琳派の流行) 5章 青〃子 永田友治(器種ごとの展示) 6章 友治の子孫 ―永田習水 |
展示総数: 約80件 うち友治作品は約70件 ※予定・会期中一部展示替えあり
今回の調査により、江戸中期に京都と大坂を拠点として活動したと考えられる友治の活動がおぼろげながら見えてきました。作品の包紙に「蒔絵師/永田友治/京たこやくし通/御幸町西へ入丁」と住所印を捺し、その横に「只今大坂伏見町住居仕候」と追加してあるのです。これはどういうことでしょうか。友治の使用した材質の化学分析結果も紹介し、この友治大坂下向の謎にさらに迫ります。
※友治の「友」は右肩に点あり
◆◆関連イベント◆◆ ギャラリートーク:桑原 康郎 (MIHO MUSEUM 学芸員) |
主な展示作品
槙鹿蒔絵菓子重
江戸時代 18世紀 個人蔵
撮影:山崎兼慈
刷毛目塗燕子花蒔絵螺鈿菓子盆 10枚の内
江戸時代 18世紀 個人蔵
撮影:山崎兼慈
つぼつぼ蒔絵盃台・共箱
江戸時代 18世紀 個人蔵
撮影:森仁
鶴亀貝尽蒔絵螺鈿三組盃・盃台
江戸時代 18世紀 個人蔵
撮影:山崎兼慈
開催期間 | 2019年6月8日(土)~2019年7月15日(月) |
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時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで) |
休館日 | 月曜日 ※7月15日(月・祝)は開館 |
会場 | MIHO MUSEUM 甲賀市信楽町田代桃谷300 |
ホームページ | http://miho.jp/ |
料金 | 一般1,100円、高・大生800円、小・中生300円 (20名以上の団体は各200円割引) |
お問い合わせ | MIHO MUSEUM 0748-82-3411 |
主催/後援など | 主催:MIHO MUSEUM、京都新聞 後援:滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、BBCびわ湖放送、エフエム京都、帝産湖南交通 |
備考 | 会期中一部展示替えあり |