開催期間:2023年7月14日(金)~2023年10月9日(月)
,8世紀初頭に中国より伝来したとされる団扇(うちわ)は、涼をとるほか虫や邪気を払う道具として使われました。一方、平安時代に団扇を改良してつくられた扇子(せんす)は後に神事の道具や貴族の装身具となり、茶道や舞に用いる小道具としても重宝され、美しい絵柄が描かれてきました。また、高貴な身分の者が備えた品格や女性らしさなどを表現するモチーフとして、しばしば絵画の中にも登場します。今でも扇は身近なアートであり、時に広告メディアやサイン色紙としての役割を果たすこともあります。
本展覧会では、京扇子の老舗「白竹堂」ご協力のもと、団扇や扇子が描かれた日本画作品とともに、主に江戸時代から現代にかけてつくられた様々な扇を展示いたします。
会期:2023年7⽉14⽇(⾦)〜10⽉9⽇(⽉・祝) 前期:7⽉14⽇(⾦)~8⽉28⽇(⽉) 後期:8⽉30⽇(⽔)〜10⽉9⽇(⽉・祝) ※8月29日(火)展示替えのため休館日です |
蒸し暑い日本の夏。扇子には涼をとる実用的な役割がありますが、他にも神事や祭礼、茶事や舞などに用いられ、日本文化と深く関わってきました。絵画の中もよく描かれる扇子は、繁栄を意味する縁起のよい文様として着物の柄などにも用いられてきました。また、扇は特殊な形をした小さなキャンパスでもあり、その形を活かしてデザイン性のある絵柄が描かれてきました。第1章では近世の画家・中村芳中による48枚もの扇面が貼られた屏風や、竹内栖鳳や上村松園など近代の著名画家が手がけた粋な扇絵、昭和時代の企業広告用の扇面画などを展示。さらに、職人技が光る京扇子の制作工程もご紹介いたします。
中村芳中《花⿃⼈物扇⾯貼交屏⾵》(右隻)江⼾時代中期〜後期/福⽥美術館蔵
上村松園《春⾵》1936年頃/福⽥美術館蔵(部分)
冷房のなかった時代に人々は扇子や団扇で暑さを凌いできましたが、扇を携えた美人を見るだけで、涼やかな気持ちになるものです。第2章では団扇や扇子がもたらす風雅や美を、美人画などを通してご紹介いたします。初公開の《京都画壇名家団扇十二幅対》では、明治から昭和にかけて京都で活躍した画家12名によって描かれた団扇の作品がずらりと並びます。ぜひお気に入りの1点を見つけてみてください。
磯⽥⻑秋《浅宵》明治〜昭和時代/福⽥美術館蔵
西村五雲《京都画名家団扇十二幅対》明治〜⼤正時代/福⽥美術館蔵
第3章では、著名人が揮毫するいわばサイン色紙のような役割を担った扇を陳列。近世画家が宿代の代わりに描いた扇子から、現代のイラストレーター・天野喜孝氏の描き下ろし扇絵、将棋界を代表する藤井聡太竜王・名人の揮毫、ミュージシャンが筆を走らせた扇面など、各界の著名人による様々な扇面をお楽しみください。
忌野清志郎によるイラストの扇⾯/⽩⽵堂蔵
吉海直人先生講演会「百人一首の夏の歌を味わう」
日時:2023年9月9日(土)13:30~14:30
場所:嵯峨嵐山文華館 2F畳ギャラリー
参加費:無料 (入館料は別途お支払いいただきます)
事前予約:不要
百人一首研究の第一人者である、吉海直人先生(同志社女子大学特任教授)に、百人一首について様々な切り口から語っていただく人気講座。 入館料のみで、どなたでもお聞きいただけます。
詳しくはイベントページをご覧ください。
開催期間 | 2023年7月14日(金)~2023年10月9日(月) |
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時間 | 10:00~17:00(最終入館16:30) |
休館日 | 8月29日(火) |
会場 | 嵯峨嵐山文華館 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11 |
ホームページ | https://www.samac.jp/ |
料金 | ■一般・大学生1,000(900)円■高校生600(500)円■小・中学生400(350)円■障がい者と介添人1名まで各600(500)円 *0歳から6歳までの未就学児のお子さまの入場料は無料です。 *( )内は20名以上の団体料金 *常設展「百人一首ヒストリー」もご覧いただけます <福田美術館両館共通券> 一般・大学生:2,300円/高校生:1,300円/小中学生: 750円/障がい者と介添人1名まで:各1,300円 |
お問い合わせ | 嵯峨嵐山文華館 ☎075-882-1111 |
主催/後援など | 【主催】嵯峨嵐⼭⽂華館、京都新聞 【特別協⼒】株式会社⼭岡⽩⽵堂 【後援】京都府、京都市教育委員会、京都商⼯会議所 |