開催期間:2017年5月20日(土)~2017年7月9日(日)
洋画壇の先覚者、浅井忠(1856‐1907)。パリ万国博覧会鑑査などのため訪れたヨーロッパでの経験は、画風の変化のみならず、全盛期のアール・ヌーヴォーの洗礼により、デザインへの強い関心をもたらしました。
そして、滞在中に京都高等工芸学校(京都工芸繊維大学の前身のひとつ)の図案科に誘われ、京都移住を決意します。明治35年(1902)からこの世を去る40年まで、浅井は京都で教鞭をとるかたわら、聖護院洋画研究所、関西美術院と続く洋画家養成機関の中心となり関西洋画壇の発展に尽力しました。また遊陶園、京漆園など陶芸家や漆芸家と図案家を結ぶ団体を設立、自らもアール・ヌーヴォーを思わせる斬新なデザインで京都工芸界に新風を巻き起こします。
本展は、京都工芸繊維大学に遺された浅井をはじめ鹿子木孟郎、都鳥英喜など教授たちの多彩な足跡をたどるとともに、彼らが〝教材〞に選んだ欧米の工芸をご紹介します。あわせて浅井、鹿子木ら洋画家を支援した住友家ゆかりの品々も展示、近代関西の美術工芸と美術教育、生活文化に浅井忠らが何をもたらしたのか再考します。 ※一部展示替えがあります
■浅井忠 年譜
明治33年
パリ万博の鑑査と西洋画研究を拝命し欧州へ
明治34年
パリ郊外のグレー村に滞在
中澤岩太(初代校長)と意気投合、京都高等工芸学校(後の京都工芸繊維大学)へ出仕を決意
明治35年
帰国、東京から京都へ移住。京都高等工芸学校が吉田に開校、初代図案科教授となる。教材として欧米の工芸が教授陣らによって収集される
明治36年
聖護院洋画研究所、関西美術院(明治39年)を開設
明治38年
東宮御所の壁飾綴織下絵「武士山狩図」を描く
明治39年
若手工芸家・教授らと遊陶園・京漆園を設立
明治40年
病を得て逝去、南禅寺に眠る
■関連イベント 各種開催!(イベントはいずれも入館料が必要です)
●講演会「浅井忠とデザイン教育の夜明け―京都工芸繊維大学コレクションから」◆終了◆
日時:6月10日(土)午後1時30分~3時
講師:並木誠士氏(京都工芸繊維大学美術工芸資料館 館長)
内容:浅井忠ら指導者が選んだ〝教材〞を通じて彼らの理想を探ります
●ゲストキュレータートーク ◆終了◆
日時:6月24日(土)午後2時~3時
ゲスト:和田積希氏(京都工芸繊維大学美術工芸資料館 学芸員)
内容:浅井の図案資料について、歴史的見地から解説します
●列品解説 各日午後2時より展示室にて学芸員が行います
6月3日(土)森下 愛子氏 「浅井忠の京都遺産―工芸を中心に」◆終了◆
7月1日(土)実方 葉子氏「浅井忠の京都遺産―絵画を中心に」
7月8日(土)廣川 守氏 「中国青銅器の時代」
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京都工芸繊維大学美術工芸資料館 館長・並木誠士氏のご寄稿や展覧会関連コラムなど内容も充実しています。
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開催期間 | 2017年5月20日(土)~2017年7月9日(日) |
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時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
会場 | 住友コレクション 泉屋博古館 京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24 |
ホームページ | https://www.sen-oku.or.jp/ |
料金 | 一般800円、高・大学生600円、中学生350円(小学生以下無料) ※20名以上は団体割引20%、障害者手帳ご提示の方は無料 ※特別展・青銅器館両方ご覧いただけます |
お問い合わせ | 泉屋博古館 電話:075-771-6411 |
主催/後援など | 主催:公益財団法人 泉屋博古館、京都工芸繊維大学美術工芸資料館、京都新聞 後援:京都市、京都市教育委員会、公益社団法人 京都市観光協会、NHK京都放送局、京都市内博物館施設連絡協議会 |