開催期間:2023年2月17日(金)~2023年3月26日(日)
アール・ヌーヴォーの代表的な画家として知られるアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)は、サラ・ベルナールの演劇ポスター「ジスモンダ」をはじめとする数々のポスター作品で知られていますが、実際に彼が手掛けたジャンルは非常に多岐にわたりました。ミュシャ作品に特徴的な優美な女性像と花々を組み合わせたグラフィックおよびプロダクトデザインは、絵画作品とはまた異なる魅力を宿しています。本展では、チェコ在住のズデニェク・チマル博士のコレクションから、ベル・エポックの時代を象徴するミュシャ芸術の中で、とくにデザインの仕事に着目し、マルチ・アーティストとしてのミュシャについてひもときます。様々な形のミュシャ作品をお楽しみください。
ミュシャ展~マルチ・アーティストの先駆者~
Alfons Mucha: Multitalented Artist
ミュシャについて
【Ⅰ】 挿絵画家としての出発 Different Ways
〔書籍、雑誌、ポストカード、そのほかのグラフィック作品〕
イヴァンチッツェ生まれのミュシャが画家をめざしはじめたのは、故国チェコおよびウィーンにあるときでした。20代半ばを過ぎた頃、ミュンヘンを経てフランス、パリのアカデミー・ジュリアン、のちにアカデミー・コラロッシで学びますが、援助を打ち切られたことにより絵画修行継続を断念し、生活のために雑誌や書籍に挿絵などを描くようになりました。この章では、まったく無名の画家であったミュシャが夢をつかむために行っていた、才能あふれる初期の仕事の数々をご紹介します。
雑誌『ココリコ』所収挿絵「三月・にわか雨」1899年/木版
書籍『装飾アルバム』より「花言葉」(pl.35)1900年/リトグラフ
【Ⅱ】 成功の頂点 ―ポスターと装飾パネル Apex of his Career
〔ポスター、カレンダー、装飾パネル〕
1895年の年明け、ミュシャはまさに一夜にして有名になりました。女優サラ・ベルナール演じる劇『ジスモンダ』のポスターが一斉にパリの街に貼りだされたのです。それは、ミュシャにとっての栄光への第一歩であるとともに、アール・ヌーヴォーを象徴するポスターのはじまりでした。以後ミュシャはその第一人者としてこの分野で活躍していきます。この章では、このポスターをはじめ装飾パネルなど、ミュシャ芸術の頂点をなす作品群をご紹介します。
ポスター「椿姫」1896年/リトグラフ
連作装飾パネル「四季:春、夏、秋、冬」1896年/リトグラフ
【Ⅲ】 生活のなかのデザイン Everyday Life
〔商品、パッケージ、各種広告、宝飾品など〕
アール・ヌーヴォーの時代は、生活革命、すなわち消費文明のはじまりでもありました。その中で、ミュシャはさまざまな商品のパッケージを手がけました。既存の図案や新規に考案した図案を商品の広告に利用したのです。ミュシャは、自らの作品を広告に積極的に利用したはじめての芸術家でもありました。加えて、切手や紙幣、さらには宝飾品に至るまで、生活のなかで用いられたさまざまな商品のデザインも手がけています。この章では生活のなかで見ることのできたミュシャの仕事をご紹介します。
ルフェーヴル=ウティール社ビスケット(ブドワール)缶のパッケージ、1900年/リトグラフ(金属、紙)
装飾皿「自然」1898年/陶磁器
【Ⅳ】 プライヴェートな生活の記録 Family Life
〔写真、素描など〕
ミュシャは、身近な人々と生活を写した写真家としても知られています。この章では、ミュシャが撮影した写真から、私的な家族や友人たちとの生活を紹介します。また、ミュシャが芸術家になる前、学生時代のノートに走り描きされた素描や、初恋の人に対する純朴な気持ちなどを表現した素描など、ミュシャのきわめてアンティーム(親密な)世界をあわせてご紹介します。
写真「1906年6月10日、結婚式(プラハ)」1906年/写真
【Ⅴ】 唯一無二のオリジナル作品 Original is Only One
〔油彩、水彩、素描、挿絵原画〕
チマル・コレクションの魅力は、なんといっても、一点しか存在しないオリジナル作品を多く所蔵している点です。なかでも、イヴァンチッツェ、ウィーン、ミクロフで描かれた初期の作品群はきわめて貴重であり、ミュシャの早熟な才能を示すものです。また、ミュシャが手がけた『おばあさんのお話』(クサヴィエ・マルミエ著)の挿絵の原画6点も、一か所にまとまって存在するものとして貴重であり、さらには、ミュシャ晩年の重要な仕事である《スラヴ叙事詩》のための習作(「ベツレへム教会で説教するヤン・フス」本展出品)も含んでいます。この章では、素描、油彩など、これら貴重で魅力的なミュシャの直筆作品をご紹介します。
油彩画「エリシュカ」1932年/油彩(カンヴァス)
※所蔵は全て「チマル・コレクション」
☆★☆★☆2023年2月15日付京都新聞朝刊に掲載された特集紙面はコチラでもご覧いただけます!!
開催期間 | 2023年2月17日(金)~2023年3月26日(日) |
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時間 | 10:00~19:30(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 会期中無休 |
会場 | 美術館「えき」KYOTO JR京都駅下車すぐ・ジェイアール京都伊勢丹7階隣接 |
ホームページ | https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2303.html |
料金 | 一般:1000円(800円) 高・大学生:800円(600円) 小・中学生:600円(400円) ※( )内は前売料金。「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは、当日料金より各200円割引。 前売券は2023年1月5日(木)から2月16日(木)まで発売。販売場所は美術館チケット窓口(休館日を除く)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ、ローソンチケット |
お問い合わせ | ジェイアール京都伊勢丹 075(352)1111(大代表) |
主催/後援など | 主催:美術館「えき」KYOTO、MBSテレビ、京都新聞 |
備考 | ※入館の際、マスク着用・検温・消毒をお願いしております。 ※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。 |