2018年11月16日

「第3回 日本陶磁協会奨励賞 関西展」受賞作品紹介 vol.3

観賞・茶陶部門 京都市長賞
《月影》 福本 双紅

月影なるものの本質を捉えた作品。母体の鉢形に径の異なる3体の回転体を重ねられ、各部位には濃淡の青釉が掛け分けられている。釉着による形状の揺らぎは月を映す水面の波紋を想起させる。解体と創造の様相が垣間見え、回転体が孕む地軸と拡がる水平線が多次元に交差する様から無限の響きが感じられる。事物の存在の多様性を大胆且つ繊細に受容する作者の世界観が結晶した一作である。

(評・不動 美里)「第3回日本陶磁協会奨励賞関西展」図録より

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