2018年11月15日

「第3回 日本陶磁協会奨励賞 関西展」受賞作品紹介 vol.2

観賞・茶陶部門 京都新聞賞

《炭化たたき広口壺》 迫 能弘

近年流行の技巧的、ポップな作風とは一線を画した地味な作品である。しかし、豊かに張り出した胴と小さな高台、口造りが見せるバランスの良さは作者の安定した力量を物語る。さらに炭化焼成と自然釉による質感、手跡とたたき痕が示す装飾的効果は、造形上の必然と作者の明確な美意識の邂逅である。このように意識と自然性との有機的な結びつきの上に成立したのが本作だといえる。

(評・大長 智広)「第3回日本陶磁協会奨励賞関西展」図録より

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