日本美術・技術博物館「Manggha」(通称「マンガ博物館」)は、ポーランドにおいて日本文化の普及に努める唯一の国立機関で、「灰とダイヤモンド」などの名作で知られる巨匠アンジェイ・ワイダ監督により設立されました。
館の設計は、日本を代表する建築家磯崎新氏によるもので、「日本美術コレクションのための家」として、1994年クラクフに建設。
浮世絵、北斎や歌麿などの絵手本のほか、能面や能装束など日本の伝統美術が展示されています。
「〈若きポーランド〉-色彩と魂の詩(うた)1890-1918」でも紹介されている作家・批評家のフェリクス・“マンガ“・ヤシェンスキの名前を冠した、その「マンガ博物館」と姫路市立美術館が昨年11月11日に連携協定を締結。
両館が所蔵する美術品等の相互貸借等の展覧会開催における協力を通じて、両地域の芸術文化の交流を促進し、観光、国際交流、教育、産業その他の関連分野における連携を図っていくこととなりました。
現在、アンジェイ・ワイダ監督が姫路城を訪問した際に描いたスケッチの複製画が姫路市立美術館で展示されています。連携協定の締結記念として、ワイダ監督夫人のクリスティーナ・ザフファトヴィッチ氏より同館に寄贈された大変貴重な資料です。
姫路市立美術館内の展示の様子
ちなみに昨年、マンガ博物館対岸のヴァヴェル城は姫路城との姉妹城提携を結んでおります。
この機会に、ポーランドと縁の深い姫路市立美術館、そして姫路城も訪れてみてはいかがですか?
いずれもアンジェイ・ワイダ監督による姫路城スケッチ
アンジェイ・ワイダ監督によるメモ
【メモの訳】
白鷺城
この建造物の本質はいくつも続く城門にある。
将軍*を目指す者は、無敵を誇るこの巨城に感銘を受けながら門をくぐって行ったことだろう。結果として白鷺城は誰にも攻撃されることがなかった。その人を寄せ付けない偉容で十分だったのだ。だからこそ、この城には、まるでイヴォ・アンドリッチの物語のように絵や書に造詣を深め精通した城主がいたのだろう。
*君主、または天守か
姫路市立美術館 |
【関連情報】
今回紹介したポーランド・クラクフ日本美術・技術博物館「Manggha」のカタジナ・ノバク館長が大阪・関西万博開幕を機に来日。4月15日(火)に姫路市立美術館を訪問。
同博覧会記念事業である「髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児」を鑑賞されました。
髙田賢三展を鑑賞するノバク館長(手前)
姫路市立美術館で開催中の「大阪・関西万博記念事業 髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児」の詳細はコチラ