【開催報告】出品作家によるギャラリートークを開催①

【開催報告】出品作家によるギャラリートークを開催①

1月25日(土)14時から展覧会場内で、出品作家によるギャラリートークを開催しました。
受賞作家を含む7人の作家が来場者に直接、それぞれ自身の作品への想いを語りました。


「媽祖」を描いた高資婷さんは出身地・台湾で信仰される媽祖について説明し「女性の描き方は尊敬する上村松園先生の楊貴妃の作品を見ながら学んだ。紙本より絹本の方が、ぼかし表現をしやすい」と技法についても触れました。


前回と似たモチーフの「くらしのポートレイト」を出品した小熊香奈子さんは「日常の一部を切り取って表現している。昨年の作品より明るいイメージにしようと試みた」と今回の工夫を説明。


「ゆらめくみち」で奨励賞・京都府知事賞を受賞した阿部瑞樹さんは「いつも大体、水をテーマに描いている。ゆらぎや、ゆらめいたイメージを表現したいと思い、今回は大原三千院の水と道路をレイヤーのように組み合わせてみた。実際に見た景色ではないが、細かいところを埋め尽くして、果たしてどう見えるかという実験」と解説しました。


優秀賞を受賞した池上真紀さんは象を描いた作品「幽幻」を前に、「昔から自然が好きで、生物のもつ我の強さを表現した。今回は100号サイズなので大きな画面に大きな象を描いた。身近で見られる動物や植物をモチーフにすることが多い」と話しました。


一見真っ白な画面の作品「White noise」で奨励賞・京都市長賞を受賞した山本雄教さんは「この絵は遠くから見ると真っ白に見えるが、近づいて見ると確かに何かが描いてある。そしてもう一回遠くから見た時には、そこに何かが描いてあるように見える。実は水面の陰影を描いたもので福田平八郎の『漣』に影響を受けている。見る人の中で何かが生まれて作品が完成すると思っている。」と解説。


「ゆだねる」を描いた滝村彩子さんは、「空と水のイメージで、空気中の水分量も表現したい。実はこの作品は連作の3作目」と語りました。


鳥居結人さんは、「近くの山でいつもどおりスケッチした風景を描いた。大きな木とかを画面におさめるのが難しい」と制作の苦労を語りました。

 

作家自らが解説するギャラリートークに、多くの来場者が参加し、若いエネルギーあふれる作品への想いに聞き入っていました。