若手日本画家の活動を奨励することを目的として2008年度に創設した「京都 日本画新展」。2013年度からの続（しょく）「京都 日本画新展」と合わせて、10年にわたり作品の発表の場を提供してまいりました。現在、同展出品を経て、多くの作家が各方面で活躍しています。引き続き、日本画を志す若手作家とともに、京都ならではの日本画展を目指し、「京都 日本画新展」を開催いたします！！

「京都 日本画新展2019」は、2019年1月25日（金）～2月4日（月）に美術館「えき」KYOTO（ジェイアール京都伊勢丹７階隣接）で開催いたします。本展では、大賞、優秀賞、奨励賞受賞作をはじめ、推薦を受けた20～40歳代までの40作家の秀作と推薦委員の新作等を一堂に展示いたします。 

本特集第1弾では、大賞受賞の山本真澄さんの受賞作品をご本人のコメントとともにご紹介いたします！！

大賞　山本真澄「人天」

―――大賞（優秀賞）受賞を受けて、今の気持ちをお聞かせください。

大賞をお知らせ頂いた時は本当に驚きました。素晴らしい賞を頂く事ができてとても光栄に思います。これから始まる展覧会がとても楽しみです。多くの方に御覧頂けましたら幸いです。

―――受賞作品のテーマやモチーフについて教えてください。

幼い頃聞いた祖母の、〈お天道様が見てるよ〉という言葉は深く私の心に残っています。古来から日本人に根付く宗教観や自然に寄り添いながら生きる事の美しさにとても惹かれていました。この度の作品は天上界と人界の狭間のような美しい世界を描きたいと思い制作致しました。

―――作品のみどころや、表現する上で気をつけたこと（技法上のポイントや、素材の活用法の工夫など）を教えてください。

どこかを見透すような涼やかな眼差しになるよう気をつけました。視線の先にあるのは何なのか想像しながら御覧頂けたら嬉しく思います。

―――これからの活動予定、抱負をお聞かせください。

本の装丁、海外や日本各地で、個展やグループ展等をさせて頂く予定になっています。これからも作品の質を高めながら精力的に発表を続けていきたいと思っています。

写真：山本真澄

＜略歴＞

1985 岐阜県大垣市に生まれる
2009 第９回佐藤太清賞公募美術展 日本画の部 特選
2010 京都造形芸術大学日本画コース卒業
2013 大垣市美術展 入選（大垣市スイトピアセンター／岐阜）
2014 第６回豊橋トリエンナーレ星野眞吾賞展 入選（豊橋市美術博物館／愛知）
　　  新鋭女流作家５人展（大丸京都店）
2015 第３回美術新人賞デビュー 準グランプリ（ギャラリー和田／東京）
        贈りもの展（ギャラリー恵風／京都）
2016 Seed山種美術館日本画アワード 入選（山種美術館／東京）
        春待ちの月 現代女流作家展（日本橋髙島屋／東京）
        山本真澄展（ギャラリー和田）
2017 山本真澄展─天のもの地のもの─（大丸京都店）
        春を待つ─梅─（ギャラリー恵風）
2018 メディアコスモス新春美術館2018（ぎふメディアコスモス）
        山本真澄展─幼日の色取り─（あべのハルカス近鉄本店／大阪）

次回は、優秀賞の乾榮里子さんの受賞作品を紹介します！！お楽しみに！