8月12日(日)、京都府立堂本印象美術館で夏休みこどもワークショップ「鉛筆で絵を描こう」が開催されました。日本画家の岡村倫行先生を講師に、好きな形の折紙をスケッチし、美術館で見つけた“模様”を描くという内容です。
ワークショップには10名の小学生とその保護者の方々が集まりました。
まずは、気になる“模様”探しです。
「印象さんは、風や水など自然からイメージを膨らませて模様を作りました。美術館には印象さんの模様がいっぱいあるので、好きな模様をみつけてください」と岡村先生。
子どもたちは柱や壁、イスに案内板などの美術館にある模様をメモしたり、じっと見つめて記憶したりと真剣な様子です。
“模様探し”のあとはいよいよスケッチ。美術館隣の旧堂本印象邸へ場所を移します。
大きな机の周りにみんな集まりました。
机の上にはたくさんの色鉛筆と、様々な形をした折紙が。
好きな折紙を選んで、画用紙が配られたら、
スケッチスタート!
最初はすこし戸惑いがちだった子どもたちですが、次第に筆がのっていきます。
折紙をじっと見つめて輪郭線をかたどっていく子、
色鉛筆で線の中をきれいに塗りつぶす子、
色鉛筆を一度に何本も手にして色を塗り重ねる子、
カラフルな模様を描いていく子など、
みんな真剣に画用紙に向かって折紙スケッチに取り組みました。
岡村先生はみんなの様子を見て回りながら、
「とても細かく描けているね」「こうしてみると面白いかもしれないよ」
とアドバイス。
長いようであっというまの約1時間の制作時間の後は、
岡村先生による講評です。
みんなの作品を前に張り出して、
「印象さんのデザインをうまく取り込めています」「色の組み合わせがとても綺麗です。“補色”という組み合わせなんですよ」「すごく細かくてしっかりモノを描こうという気持ちが伝わります」とそれぞれの作品のいいところについてお話しくださいました。
「感性は一人一人違います。みんな一緒じゃなくても、より自分らしいことが大事。
一人違うということはすごくいいことなので、それぞれの感性を大切にしてください」と岡村先生。
最後に、ワークショップの参加者から感想をいただきました。
美術館のステンドグラスが印象に残ったという小学2年生の石田宙基くん。
モチーフには鳥と手裏剣の折紙を選び、その中にステンドグラスの模様を描きこんだ作品ができました。
「細かい模様を重ねたりするのが難しかったけど、楽しかったです」と少し照れながらも笑顔で話してくれました。
岡村先生、参加者のみなさま、ありがとうございました。
「蘭島閣美術館コレクション 京の日本画家が描く情景」は9月30日まで開催中です。