「私たちが観た能面展」
-京都産業大学能楽サークル金剛会-
本展は、同じ種類の能面でも制作時期や作家の異なるものがあり、能面を見比べて楽しめるのが魅力である。
数ある能面の中で特に印象に残ったのは、秀吉が愛した「雪の小面」だ。
小面(雪の小面)/金剛家
小面は他にも展示されていたが、どれも個性があるのが不思議だ。雪の小面よりもふくよかなものや大人に見えるものがある。しかし、雪の小面が最も年相応の幼さを持っていることは確かだ。また、小面と他の面を比べるとより楽しめる。歳を重ねたものほど、人間味を持つ面が増えてくる。
悲劇を連想させる「深井」の目や「檜垣姥(ひがきうば)」の口の開き具合がリアルだ。「瘦女」は目が落ち窪み、頬はこけ、悲愴さがひしひしと伝わってくる面だ。見る角度を正面や左右、斜め下からに変えるだけで、見え方は変わる。
檜垣姥/金剛家
瘦女/篠山能楽資料館
女面だけの感想になってしまったが、ほかの能面も含め、多くの面を見て楽しんでいただきたい。(京都産業大学能楽サークル金剛会 渡邉ありさ)
※画像は特別に許可を取り撮影されたものです。通常、会場内は撮影禁止です。
京都産業大学能楽サークル金剛会
京都産業大学能楽サークル金剛会は、2021年に設立しました。シテ方金剛流能楽師の宇髙竜成・宇髙徳成先生に講師をして頂いています。活動内容は謡と仕舞のお稽古だけにしぼらず、公演鑑賞や能楽ゆかり場所の観光、様々な活動を通して能楽を楽しんでいます。 |
展覧会は2月6日(日)まで。お見逃しなく!