12月22日(日)午前10時、みやこめっせ地下1階の特別展示場の会場前には多くの参加者が集まっていました。視覚障害者のための「手で触れる日展」の参加者、サポートする京都教育大の学生、彫刻家の先生方による、日展3科 彫刻の作品を手で触れて楽しむ特別鑑賞会が実施されました。
数班に分かれた参加者は、学生の誘導で会場内を進み、作品を手で触れて鑑賞しています。学生が「真っ白な作品です」と手を引きながら説明すると、「モデルさんは半袖やね」や「ここが口ですか」と視覚障害者の方が作品鑑賞を楽しみます。彫刻作品は石膏や樹脂、木彫など、素材もさまざま。それぞれ手触りも違い、触ったときの温度も異なります。
参加者の松本さん(西京区)は「何体か触らせてもらった。男性モデルと女性モデルの違いが髪型や筋肉の違いで表現されていて、なめらかさや触ったときの感触も違う。作家の方のイメージを楽しませてもらえる」と楽しんでいる様子。
佐渡さん(西京区)は「言葉で説明してもらうだけではつかめない顔の表情や筋肉、服がどう表現されているか、直接触れて確かめている。このような作品を触れる機会はあまりないし、特に日展は毎年新作が楽しめるのでワクワクしている。もっとこういう機会が増えるとうれしい」とのこと。
今回、「情熱と冷静」で京都新聞賞を受賞した横田朋子氏は「こうやって360度楽しめるのが立体の作品の面白さ。触ってもらうことで作品のボリューム感をしってもらえるのでありがたい。視覚障害者の方にはいつも丁寧に触って楽しんでもらっている。表現したいことをこうやって読み取ってもらえるのが嬉しい」と話しながら、参加者に作品の意図を説明。
視覚障害者、学生、彫刻家がコミュニケーションを取りながら一緒に作品を楽しんでいました。