<展示作品紹介(5)>御庭織服紗

特別展
家元に伝わる茶の湯の道具(五)

表千家歴代ゆかりの茶碗、服紗

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本展は、表千家歴代ゆかりの茶道具を展観するシリーズの第5弾。今回は「茶碗」「服紗」に焦点を当てご覧いただきます。
出品作品から、その見どころを一部ご紹介いたします。

 


御庭織服紗

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九代了々斎、十代吸江斎が茶堂として仕えた紀州徳川家十代の治宝は風雅な殿様として知られていました。和歌山城下の西濱御殿(偕楽園)において御庭焼を行うとともに、染織にも興味を持ち御庭織も手掛けました。

意匠として描かれているのは伝説上の麒麟でしょうか。その周りの花や草木も異国を感じさせます。

この御庭織の服紗は吸江斎が拝領し、箱には「西濱御殿御庭織 御懐中服紗 三 天保改元寅年冬拝領 吸江斎」と書付けています。

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◆表千家九代 了々斎
安永4年(1775)~文政8年(1825)
久田家から養子に入り家元を継承。文政5年(1822)には紀州徳川家十代治宝の家元への御成りを迎えている。また、このあと紀州徳川家より武家門(現在の表門)を拝領した。

 

◆紀州徳川家十代 治宝(はるとみ)
明和8年(1771)~嘉永5年(1853)
音楽や文芸、茶の湯への造詣が深く、「数寄の殿様」と呼ばれる。御庭焼である「偕楽園焼」にも力を入れ、樂や永樂を招くなどして多くの道具をつくらせた。

 

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家元に代々伝わる貴重な茶道具の数々をぜひお見逃しなく!

 


 

特別展
家元に伝わる茶の湯の道具(五)
 表千家歴代ゆかりの茶碗、服紗

会期:2023年10月11日(水) ~ 12月13日(水)
会場:表千家北山会館