<展示作品紹介(2)>如心斎好 嶋台茶碗 樂長入作

特別展
家元に伝わる茶の湯の道具(五)

表千家歴代ゆかりの茶碗、服紗

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本展は、表千家歴代ゆかりの茶道具を展観するシリーズの第5弾。今回は「茶碗」「服紗」に焦点を当てご覧いただきます。
出品作品から、その見どころを一部ご紹介いたします。

 


如心斎好 嶋台茶碗 樂長入作

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樂家七代 長入の作による、大小一双の赤樂の重ね茶碗。
小さい茶碗の内側には金箔、大きい茶碗の内側には銀箔が施されています。

「嶋台」は婚礼などの祝いの儀式に用いられる飾り物のことを指しますが、この茶碗には慶事に用いるのにふさわしい趣があるため、如心斎が名付けたといわれています。
現在でも初釜などのめでたい茶席で大勢の客に濃茶を点てる際、嶋台茶碗がよく用いられます。
嶋台は如心斎の好みが最初で、のちの歴代家元による好みもあります。

如心斎は茶堂として紀州徳川家に出仕しましたが、大名家における殿中の茶の湯をおこなう中で見出したものと考えられます。

 

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◆樂家七代 長入
正徳4年(1714)~明和7年(1770)
享保13年(1728)七代吉左衞門を襲名。宝暦12年(1762)隠居し長入と号した。

◆嶋台茶碗
初釜など点初めの濃茶茶碗として用いられる。婚礼の儀等に飾られる塗り物の金銀盃を模したものとされる。

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家元に代々伝わる貴重な茶道具の数々をぜひお見逃しなく!

 


 

特別展
家元に伝わる茶の湯の道具(五)
 表千家歴代ゆかりの茶碗、服紗

会期:2023年10月11日(水) ~ 12月13日(水)
会場:表千家北山会館