現在、泉屋博古館で開催中の「特別展 生誕151年からの鹿子木孟郎 -不倒の油画道-」。
この近代日本画家の巨匠の約四半世紀ぶりの大規模回顧展で展示される約80点の作品の中から、担当学芸員が特に注目してほしい作品をコメント付きで紹介します。
シリーズ3回目、最終回となる今回は鹿子木の師の作品を紹介します。
イレーヌ

ジャン=ポール・ローランス《イレーヌ》1896年(府中市美術館)
鹿子木の師ジャン=ポール・ローランスがビザンティン女帝イレーヌを描いた作。
ローランスは光と闇の対比によるドラマティックな作風を得意としましたが、
正面性を強調して描かれるイレーヌは威厳に満ち、画面全体に聖性と崇高さをもたらしています。
※本作は展覧会後期展示作品です。