【心ときめく京都でおしゃれアイテム】『ときめきミニ講座』第1弾「髪飾りに魅入られた女性―岡崎智予」

【心ときめく京都でおしゃれアイテム】『ときめきミニ講座』第1弾「髪飾りに魅入られた女性―岡崎智予」

細見美術館では、故・岡崎智予氏が収集し、現在澤乃井櫛かんざし美術館に所蔵されるおしゃれアイテムを紹介する
「澤乃井櫛かんざし美術館所蔵 ときめきの髪飾り―おしゃれアイテムの技と美―」を8月4日(日)まで開催中です。
京都・祇園に生まれて芸妓となり、後に東京で料亭の女将として活躍した岡崎氏は、40余年をかけて3,000点以上もの櫛やかんざしを中心とした装身具を収集しました。
そのいずれも、匠の技や粋なデザインが光り、私たちを魅了し続けています。
細見美術館の学芸員による鑑賞ポイントや見どころ解説をご紹介いたします。


ときめきミニ講座
第1弾「髪飾りに魅入られた女性―岡崎智予」


岡崎智予さんが舞妓時代に愛用した着物

今回の展覧会には、髪飾りに魅入られた一人の女性の存在があります。
女性の名は、岡崎智予(おかざきちよ)。櫛やかんざしの蒐集に並々ならぬ情熱をそそいだ岡崎氏は、小説『光琳の櫛』(芝木好子著、1979年 新潮社)の主人公のモデルにもなっています。主人公同様に、膨大な数の櫛のコレクションを一度手放した岡崎氏ですが、櫛やかんざしなど髪飾りへの思いを断ち切れず、その後、取りつかれたように蒐集し直しました。


岡崎智予さんがモデルの小説『光琳の櫛』と愛用の手鏡

その後、岡崎氏が再び髪飾りを手放さねばならなくなった際に引き取り、美術館を建設し、散逸させることなく保存・公開したのが、小澤酒造の小澤恒夫氏でした。
本展では、まず、岡崎氏の愛用品、さらには交流のあった歌舞伎俳優、 坂東玉三郎丈から寄贈された舞台衣裳などをご覧いただきます。


坂東玉三郎さんから寄贈された舞台衣装

寄稿:細見美術館 主任学芸員 伊藤京子氏