【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 145】京都シネマSTAFFの今月のオススメ『ムーンライズ・キングダム』

【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 145】京都シネマSTAFFの今月のオススメ『ムーンライズ・キングダム』

「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
11月のオススメ作品はこちら!

世界から逃げ出した少年と少女の、痛みと愛に満ちた冒険譚。

映画館の個性を生かした独自のプログラムとミニシアターならではのチャレンジングな企画として、規模や知名度、新作、旧作にこだわらずに、いまこそ見たい映画作品を上映する、京都シネマとグッチーズ・フリースクールの【きょうとシネマクラブ】。
その第二弾としてウェス・アンダーソン監督の長編第7作目『ムーンライズ・キングダム』を上映します。
秘密の場所“ムーンライズ・キングダム”を目指して駆け落ちした少年少女の冒険を描いた、ウェス・アンダーソンきっての愛らしい一作です。

周囲の環境になじめない12歳の少年サムと少女スージーは、ある日駆け落ちすることを決意。
入念に作戦を立て、サムはボーイスカウトから、スージーは実家から抜け出すことに成功し、サムが見つけた秘密の場所“ムーンライズ・キングダム”を目指して、森を進んでいきます。

一方、島をひとりで守っているシャープ警部や、ボーイスカウトのウォード隊長、スージーの両親ら、周りの大人たちが二人を追いかけはじめます。
小さな島に起こった波紋が瞬く間に島中に広がっていくなか、前代未聞の嵐が近づいていて…。

真正面から描かれたロマンスはアンダーソン監督の過去作『天才マックスの世界』を、そして大人に分かってもらえない子ども、子どもを理解できない大人の抱える痛みや不安、混乱は『ロイヤル・テネンバウムズ』や『ダージリン急行』を思い浮かべてしまいます。
彼の作品で幾度となく繰り返されるこれらの問題は、変わらずにそこにあり、そして煌めきを忘れてしまった大人たちがかつて感じたはずの感情だって、失われたのではなく “ムーンライズ・キングダム”でこだましているはず。
「ディス・イズ・アワーランド!」、痛みが混じった解放の叫び声は、永遠に忘れられることなく、夏が終わっても入江にこだまし続けるでしょう。
力強く握りしめられた手と手の柔らかさも、信じて疑わないまなざし、瞬きするのも惜しいほど無駄のない94分をぜひお見逃しなく!

執筆:川添結生(京都シネマ)



11月22日(金)公開 『ムーンライズ・キングダム』
PG12/Moonrise Kingdom/2012/米/94分
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジャレッド・ギルマン、カーラ・ヘイワード、ブルース・ウィルス、エドワード・ノートン
©2012 MOONRISE LLC. All Rights Reserved.

【上映スケジュール】
詳しくは京都シネマの公式ホームページにてご確認下さい。



京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。

問い合わせ:075-353-4723
HP:https://www.kyotocinema.jp/