「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
9月のオススメ作品はこちら!
新進気鋭のA24が放つ、少年たちの輝きにみちた魔法の季節。
少年少女たちが自分のちいさな世界から一歩踏み出し自分が何者なのかという問いを発見するとき、そこには必ず誰か、もしくは何かとの“出会い”があります。
今回紹介する『mid90s ミッドナインティーズ』は、13歳の少年がスケートボードや仲間と出会い、大人の世界へと踏み出していく様子を、90年代の愛をたっぷり込めて描いた珠玉の青春映画です。
いまやアメリカ映画界の最前線に立つ新進気鋭の映画制作会社A24と個性派俳優として知られるジョナ・ヒルがタッグを組んで制作されたことでも話題を呼び、全米では4館のスタートから1200スクリーン超まで拡大するスマッシュヒットを記録しました。
90年代のロサンゼルスが舞台。シングルマザー家庭で育った13歳のスティーヴィーは、暴力的で絶対的存在の兄イアンへ少しでも近づきたいと思っています。
しかし、小柄なスティーヴィーは兄にまったく歯が立たずいつも殴られっぱなし。
そんなある日、スケートボード・ショップの前にたむろする、驚くほど自由でカッコいい少年たちを見て、近づきたいと思います。
勇気を振り絞って入っていた店のなかで憧れていた少年たちと出会い…。
主人公スティーヴィーを演じたサニー・スリッチが仲間に向ける笑顔が最高です。
誰か/何かに恋したときの煌めきが彼の笑顔には詰まっています!
恋という感情はべつに異性じゃなくたって、人じゃなくたっていいんです。
夢中になって、頭のなかはそのことでいっぱい、それってすごくしんどくて、幸せな瞬間です。
スティーヴィーの母は彼が不良たちと仲良くすることを心配していますが、
スティーヴィーにとっては、スケートボードへの恋はホンモノで、そのことによって得られたかけがえのない仲間たちもホンモノなのです。
そんなホンモノの恋の思い出は、ときに誰にも知られることなくとても大切にしまいこまれてしまう。
この映画は、ほんとうはひっそりと心の中にしまいこまれるはずだった誰かの(ここではジョナ・ヒル監督を指しますが)大切な宝箱を見せてもらう、そんな幸福な瞬間が詰まった映画なのです。
執筆:川添結生氏(京都シネマ)
mid90s ミッドナインティーズ
原題:mid90s
PG12/2018/米/85分
監督:ジョナ・ヒル
出演:サニー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストン、ルーカス・ヘッジズ、ナケル・スミス、オーラン・プレナット
©A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
http://www.transformer.co.jp/m/mid90s/
【上映スケジュール】
9月4日~10日 11:40~、15:40~、18:30~
9月11日~17日 14:00~、19:40~
※9月15日は休館日
9月18日~24日 14:05~、17:45~
25日以降未定、10月1日終了予定
京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。
問い合わせ:075-353-4723
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