【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 29】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「海辺の映画館 キネマの宝箱」

【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 29】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「海辺の映画館 キネマの宝箱」

「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
8月のオススメ作品はこちら!

海辺の映画館 キネマの宝箱

映画と踊れ!めくるめく映画内世界へタイムリープする反戦エンターテイメント!

 2020年4月10日、大林宣彦監督が亡くなりました。
惜しくも、この日は今回紹介する『海辺の映画館 キネマの玉手箱』の公開初日が予定されていた日でした。
1977年、『HOUSE/ハウス』で衝撃的作品を世に放った大林監督は、2011年『この空の花―長岡花火物語』に続く、『野のなななのか』、『花筐/HANAGATAMI』の大林的戦争三部作で、反戦へのメッセージを投げかけました。
『海辺の映画館 キネマの玉手箱』は、そんな戦争三部作を締めくくる集大成的作品です。

 尾道の海辺にある唯一の映画館・瀬戸内キネマが閉館を迎える嵐の夜に不思議なことが起こります。
最終日の上映プログラムは、「日本の戦争映画大特集」のオールナイト上映。
上映がはじまると、映画を観ていた 青年の毬男、鳳介、茂は突然劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界に入り込んでしまいます。
江戸時代から、乱世の幕末、戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島へ。
悪夢のような日本の戦争の歴史の変遷を体験していきながら、映画の中で出会った希子、一美、和子らヒロインたちが、戦争の犠牲になっていく姿を目の当たりにしていき…。

 この作品は、太平洋戦争だけではなく、日本人がたがいに斬り合っていた幕末まで遡ります。
そして、戦争を知らない若い主人公たちは、暴力や戦争というものがどういうものかを“体験”として知っていくのです。
しかし、戦争という大きな重たいテーマにも大林監督の映画愛は根付いています。
戦争の歴史の変遷とともにサイレントからトーキーへといった、映画の歴史も一緒に語られていきます。
遊び心にあふれ、まことにきっかい。
自由な精神のもと、仕掛けられた演出の数々は、3時間の長尺でも観客を飽きさせません。
「映画は歴史を知るための最先端の技術である」という映画内のセリフのように、私たち観客も、この玉手箱のような映画のなかに迷い込み、歴史を観客として見るのではなく、そこに飛び込みなさいという強いメッセージを強く受けとるのです。

 

執筆:川添結生氏(京都シネマ)



海辺の映画館 キネマの玉手箱 
PG12/2019/日/179分
監督:大林宣彦
出演:厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子
©2020「海辺の映画館―キネマの玉手箱」製作委員会/PSC
公式HP:https://umibenoeigakan.jp/  
【上映スケジュール】 
8月14日~20日:9:50~、13:40~ 8月21日~27日:9:50~ ※9月3日終了予定
 
【感染症予防対策について】 
ただいま京都シネマでは、来場者の方へ感染症予防対策の協力をお願いしています。 
詳細は、京都シネマHPをご確認ください


【京都シネマNEWS!】


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京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。
問い合わせ:075-353-4723
HP:https://www.kyotocinema.jp/