「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
12月のオススメ作品はこちら！

芳醇なワインのごとく持ち味を深めた、“英国紳士”の爆笑グルメトリップ。

イギリスのショービジネス界で活躍するスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンが、グルメ取材の旅に出る人気シリーズ待望の新作『スペインは呼んでいる』がついに公開されます。
本作は『スティーブとロブのグルメトリップ』（2011）から始まったシリーズの第三弾。
コンセプトはシンプルで『あなたを抱きしめる日まで』（2013）で脚本を書き、主演を務めアカデミー賞でも作品賞のほか4部門にノミネートされた俳優のスティーブ・クーガンが、
イギリスのオブザーバー紙に旅行記を寄稿するため、友人のコメディアンのロブ・ブライドンを誘って一緒に旅をするというもの。

今回は舞台をスペインに移し北はバスク、南はアンダルシアまで地中海を目指し、レンジローバーで旅をします。
カミーノ・デ・サンティアゴの巡礼ルートでは風光明媚な田園風景が、そして世界遺産の街クエンカやイスラム文化が色濃く残るグラナダなど一度は訪れたい観光名所が、極上の料理やワインと共に五感を楽しませてくます。
地元で評判のいいレストランを食べ歩き、スペインに関する食と文化の細やかな知識で、観る者の知的好奇心を刺激。
実生活でも親しいふたりから繰り出される、マーロン・ブランド、アンソニー・ホプキンス、ミック・ジャガー、デヴィッド・ボウイなど大スターのモノマネや、アドリブだらけのウィットに富んだ会話は、お約束の抱腹絶倒。
劇中のふたりは自分自身を演じているが、家族や恋人たちは俳優たちによって演じられています。

三作目である今回はオリジナルのアイデアに戻し、実際のふたりの要素をもうすこし誇張したといいます。
ロブ・ブライドンはこう語っています。
「この映画の中に少しの真実はある。もちろん大部分が書かれたものだけど。ぼくらは自分たちを誇張している。
本当のロブもぼくも映画とは違うからね。実際のぼくたちは、もうすこしつまらなくてもうすこし楽しげな人間だと思うよ」
ドン・キホーテとサンチョ・パンサよろしく赤土の舞い上がるスペインを縦断する、ふたりの一流のエンターテイナーによる虚実織り交ざった会話に酔いしれる美食のような映画です。

執筆：谷口正樹氏（京都シネマ副支配人）

スペインは呼んでいる
(原題）The Trip to Spain
2017/英/108分
監督：マイケル・ウィンターボトム
出演：スティーヴ・クーガン、ロブ・ブラインドン、レベッカ・ジョンソン、クレア・キーラン
©SKY UK LIMITED 2017.
公式HP： http://www.hark3.com/trip-to-spain/
　

【上映スケジュール】　
12月7日～13日　11:40~、16:45~
12月14日～20日　9:45～
12月21日~27日　18：10～　　
12月27日上映終了　
※シリーズ前作「イタリアは呼んでいる」も12月7日～13日の一週間限定で上映されます
※詳細は京都シネマHPでご確認ください

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