見どころ解説④付属する名品

見どころ解説④付属する名品

『三冊名物記』は、江戸時代中期に編纂された茶道具の名物集。茶入をはじめ、香炉、花入、茶碗、掛物など、三百数十点の茶道具が掲載され、器形を描いた彩色図や詳しい作品情報、道具によっては伝来までもが記載されている画期的な資料です。
茶道資料館学芸員・橘倫子さんに『三冊名物記』と展覧会の見どころを解説していただきます。展覧会をよりお楽しみいただくために、ここで『三冊名物記』の頁を開いてみましょう。
今回ご紹介する見どころは……


今週月曜日に最後の「小展示替え」が終わりました。

今回の展覧会では、茶入や茶碗など、焼物の器物は概ね通期で展示しておりますが、袋(仕覆)、挽家、箱などの付属品は作品保護の観点から長期展示が出来ず、「小展示替え」と称して二週間程度で入れ替えを行っています。とりわけ、茶入に添っている仕覆は縫製時点で既に何十年、何百年も経っている「名物裂」も多いため、最も「長老」の付属品です。三、四点の仕覆が添っている茶入もありますが、一、二点ずつ入れ替えながら展示をしてきました。

今回新たに登場した仕覆も是非お見逃しなく、お楽しみ下さい。



見どころ解説は今回が最終回となります。
「『三冊名物記』―知られざる江戸の茶道具図鑑―」は12月8日(日)まで開催中です。お見逃しなく。