幻の作品 池田蕉園《もの詣で》がプレス内覧にて先行公開

幻の作品 池田蕉園《もの詣で》がプレス内覧にて先行公開

池田蕉園《もの詣で》の先行公開が、「栖鳳の時代 ~匂いまで描く」のプレス内覧にて行われました。
《もの詣で》は4月24日から福田美術館にて開催される「美人のすべて リターンズ」で一般公開されます。


池田蕉園(1886-1917)
東京出身の女流画家で、美人画の名手として上村松園と並び称されました。しかし惜しくも31歳で早世。文展をはじめ大規模な展覧会への出品画のうち現存する彼女の作品は多くありません。

114年ぶりに発見された幻の作品《もの詣で》


右側《もの詣で》左側《春の日》池田蕉園 福田美術館蔵

今回、ご紹介する《もの詣で》は蕉園が21歳頃に制作され、第1回文展で3等賞を受賞した作品です。出品後長らく行方不明となっており、幻の作品とされていました。

◇見どころポイント◇
・時代を超えた美人たち
右側《もの詣で》は江戸後期の女性の姿を描いたとされ、屏風の対となる左側《春の日》は明治~大正のハイカラな女性を描いています。もともとは2枚の異なる作品でしたが、現在の姿は二つを合わせた屏風のかたちです。女性の髪形、服装、様子をぜひ見比べてみてください。


《もの詣で》(部分)
奥の乳母の落とされた眉の表現や、所作にも物語が見えます

・着物の細かな表現
《もの詣で》の中心の女性の帯や四季折々の花が描かれた着物、《春の日》で左側にたたずむ女性の着物の柄はどれも美しく、細かい点までこだわりを持っている様子がうかがえます。


《春の日》(部分)
着物の裾にも文字が散らしてあります。何が書かれているのでしょう…??

「美人のすべて リターンズ」
【会期】2021年4月24日(土)~7月4日(日) 福田美術館にて
「美人のすべて リターンズ」では《もの詣で》と同じく第1回文展に出品され、3等賞第1席を獲得した上村松園の《長夜》も前期に展示されます。美人画の名手の作品をぜひ会場でご堪能下さい。