初期から晩年にわたる滋賀県立美術館所蔵品を中心にして、借用した代表作に、アトリエに残された下絵や原稿などの資料も加えて展示します。遊亀が制作発表をしたのは、横山大観や菱田春草らが東京で興した日本美術院です。当館は「日本美術院を中心とした近代日本画」を収集方針のひとつに定め、関西圏に所在する美術館でありながら日本美術院に注目するという、独自性と厚みをもつコレクションを実現してきました。そこには遊亀に影響を与えた、師の安田靫彦や先輩の速水御舟らの作品を含みます。本展では、それらの作品を合わせて約90件(会期中展示替えあり)を紹介します。遊亀の作品は、理知的な造形に、相反するようなぬくもりが感じられます。対象を構想や概念で捉えるのではなく、本質を見る遊亀の目がそこにあります。同館では、9年ぶりとなる遊亀展をお楽しみください。
(1895ー2000)滋賀県大津市生まれ。遊亀(ゆき)は本名。
現在の奈良女子大学を卒業して教職に就くも、日本画家になるため安田靫彦に入門。遊亀が参加した日本美術院は、1898年(明治31)に岡倉天心を中心として、東京美術学校で彼に教わった横山大観、下村観山、菱田春草らが東京谷中で結成した在野の美術研究団体。遊亀は1932年(昭和7)に女性初の日本美術院同人に推挙されます。1980年(昭和55)文化勲章受章。1990年(平成2)より日本美術院理事長を務めました。
小倉遊亀《径》 1966年、東京藝術大学蔵、通期
速水御舟《菊花図》 1921年、個人蔵(滋賀県立美術館寄託)、後期
安田靫彦《飛鳥の春の額田王》 1964年、滋賀県立美術館蔵、通期
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開催期間 | 4 月 29 日(土・祝)~6 月 18 日(日) 前期:5 月 21 日(日)まで/後期:5 月 23 日(火)から |
休 館 日 | 月曜日 |
時 間 | 9:30~17:00(入場は 16:30 まで) |
会 場 | 滋賀県立美術館 展示室3 |
観 覧 料 | 一般 1,200 円(1,000 円)、高校・大学生 800 円(600 円)、小学生・中学生 600 円(450 円) ※( )内は 20 名以上の団体料金 ※同時開催中の常設展もご覧いただけます ※未就学児は無料 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方は無料 ※年額,2,400円(一般)で何度でも観覧いただけるお得な年間パス(滋賀県美メンバーズ)入会受付中 |
主 催 | 滋賀県立美術館 |
制作協力 | NHKプロモーション |
企 画 | 田野葉月(滋賀県立美術館 主任学芸員) |