エモエモエ☆
京都御所東の荒神口にある小さなギャラリー「art space co-jin」。
こちらでは障害のある人の作品や表現に出会える場として展示・イベント活動などに取り組まれています。
現在は「萌え/燃え」をテーマに個性的な3名の作家を紹介する展覧会「エモエモエ☆」を開催中です。
会場に入ってまず目に入るのがゲシュタルト崩壊フラグさんの作品。
一見可愛らしいタッチのイラストですが、どこか不穏な、危うい気配も漂っています。
作品には梵字やヒエログリフのような文字が描きこまれていますが、意味を持たない創作文字とのこと。
様々な宗教観がないまぜになった、毒気のある不思議な世界観が展開されています。
美濃彩子さんの作品には「大好き」という思いが詰め込まれています。
壁一面に貼られた絵は、歌舞伎俳優、「ONE PEACE」のキャラクター、メロンパンなど美濃さんが好きな人・ものばかり。
なかには絵の周り、時には絵の上から「大好き」「私と結婚して」と愛の告白文が描きこまれた作品もあります。
ロール紙の絵巻物も美濃さんの愛の結晶。
一見、シャープな線で表された抽象画のようですが、よくよく見ると戦国武将など歴史上の人物の名前が書き連ねられていることが分かります。
時々、侍のような人物の絵も。
でもこれは、美濃さんが歴史が好きというわけではありません。
美濃さんが好きな職員さんが歴史好きのため、彼の気を引くために歴史モチーフの作品を描いたのだそうです。
美濃さんの好きなものに対する、一途でひたむきな想いが伝わってきます。
アニメキャラクターのようなイラストは、新村晋之介さんの作品。大阪メトロの各駅を擬人化したキャラクターを描いています。
カラフルなキャラクターたちは「新今宮恵利香」「中之島たか子」「梅田喜久子」など大阪メトロの駅にちなんだ名がつけられており、一人一人に設定がみっちり!
「女子高生死刑執行人」「鉄道警察隊の超熱血プロ女子高生」「声優ママ」「裁判長ガール」などの強烈なワードに、独特の文章センス、読むごとに繋がっていくキャラクター同士の関係性に魅入られ、ついじっくり読みこんでしまいます。
展覧会タイトル「エモエモエ☆」は「萌え」「燃え」「絵」「エモーション」の言葉を掛け合わせたものです。
作家それぞれ、そして鑑賞者自身の「モエ」に出会った時に、沸き起こる「エモーション」を感じてみてください。
「エモエモエ☆」
◆会期:8月27日(火)~10月13日(日)
◆時間:10時~18時 月曜日定休
◆料金:無料 ◆出店作家:ゲシュタルト崩壊フラグ・新村晋之介・美濃彩子
art space co-jin(アートスペースコージン)
きょうと障害者文化芸術推進機構(事務局 京都府障害者支援課)が運営する、障害のある人の作品や表現に出会えるギャラリー。
絵画、写真、陶芸、インスタレーションなど様々な作品を展示するギャラリー活動のほか、イベント、ワークショップ、講座など、誰もが交流できる機会を創出しています。
住所:〒602-0853 京都市上京区河原町通荒神口上ル宮垣町83 レ・フレール1F
HP:http://co-jin.jp/