Exhibition
Art Della Luce Ⅱ
障害のある方や高齢者による手作り品や京都の観光情報に出会える施設「ぶらり嵐山」内のギャラリースペース「アールブリュッ都ギャラリー」。
ここで就労支援施設「加音西京極作業所」で創作活動を行う11名の作家による展覧会「Art Della Luce Ⅱ」を10月7日(月)まで開催中です。
就労支援施設「加音西京極作業所」では、一人ひとりが自己表現できる機会を大切にするために月に一度、創作活動の場を設けています。
今回の展示では、その創作活動から生まれた11名の作家による作品を紹介しています。
自然光あふれる会場内には、色とりどりの絵画作品や造形物が並びます。
自身の作品を見つめる菅原さん
セロテープで骨組みを作り、その上に紙や折紙で肉付けしていく手法でフィギュア制作を行う菅原聖徳さん。
恐竜やカブトムシ、新幹線など自分の大好きなものがモチーフとなっていますが、制作の際は何かを参考することなく頭の中で作り上げたイメージをもとに作り上げているのだそうです。
作品と記念撮影をする吉田さん
吉田明弘さんは風景や静物を緻密に描き出します。
写真で紹介しているのは色鉛筆を用いた作品のほか、カラーペンで描かれた作品も展示されています。
迷いなく緻密に描きこまれるその細部まで注目してみてください。
泉川裕美子さんの作品は本展のメインビジュアルにも使用されています(写真の作品とは別作品)。
ホワイトボードに絵を描いては消し、描いては消しを繰り返していましたが、消えてしまう作品をどうにかして残したいと職員の試行錯誤の結果、ホワイトボードの上にセロハンを貼ることで、作品として残せるようになりました。
遠目から見ると泡沫が集まっているかのようですが、近くで見てみると人や数字、ロケット、時計、ハート、星などさまざまなモチーフが描かれていることが分かります。
作品と記念撮影をする服部さん
絵を描くのが大好きだという服部可菜恵さん。
毎月の創作クラブでの活動だけでなく、毎日昼休みにぬりえを欠かさない他、天才アートKYOTOのアトリエ会でも創作活動に取り組んでいます。
花が咲いたサボテンや、カエル、ハープなど可愛らしく、絵を描く楽しさが伝わってくるような作品をご覧いただけます。
展覧会タイトルの「Art Della Luce (アーテ・デラ・ルーチェ)」はイタリア語で「光の芸術」という意味の言葉です。
近年、障害のある方の作品は「アール・ブリュット」「エイブル・アート」として、世界中から注目を集めています。
しかし加音の作家の作品から放たれる印象的な「生命のきらめきの光」は、既存の言葉では表現できないという思いと、
障碍者福祉の第一人者である糸賀一雄が残した「この子らを世の光に」という言葉からインスパイアを受け、
「Art Della Luce (アーテ・デラ・ルーチェ)」の名で呼ぶことにしたそうです。
NPO法人加音の佐々木輝さんは、
「加音で創作クラブを始めてから10年。こうして展示活動が行えるようにまでなりました。
是非、個人個人の強烈な個性と光を見ていってほしい。今後も、創作活動の時間を増やして発表の機会を設ける予定です」
と語ります。
会場内では、今回紹介したほかにも多くの作品を展示するほか、グッズ販売コーナーもあり、絵はがきやTシャツ、タオルなど作品をモチーフにしたオリジナルグッズを購入できます。
この機会に是非、「Art Della Luce (アーテ・デラ・ルーチェ)」の作品との出会いを楽しんでみてください、
「Art Della Luce Ⅱ」 ◆会期:8月21日(水)~10月7日(月) |
アールブリュッ都ギャラリー(ぶらり嵐山内)
高齢者の作品展示や障害のある方々の手作り製品の展示・販売等を行い、高齢者や障害のある方々の生きがいづくりや社会参加の促進を図るとともに、
府内のふるさと産品のPRや、観光案内をはじめ京都に関するさまざまな情報を提供する施設「ぶらり嵐山」内にあるギャラリースペース。
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺北造路町18-1
TEL:075-865-0339