2017年6月10日(土)~2月25日(日)まで祗園甲部歌舞練場内にて「フォーエバー現代美術館コレクション 草間彌生 My Soul Forever」展が開催されました。大規模な草間彌生コレクションが展示された本展は、14万2千人を動員。大好評につき2018年3月10日(土)~4月30日(月)まで「都をどり特別展 祗園・花の宴 草間彌生・花の間展」(http://yasakaclub.jp/)を開催しています!! 本特集では、「フォーエバー現代美術館コレクション 草間彌生 My Soul Forever」展の様子をご紹介いたします。
本展の会場は、文化の殿堂として知られる祗園甲部歌舞練場内の「八坂倶楽部」。1913年(大正2)に建築された登録有形文化財指定の伝統的な木造2階建てで、館内は畳敷きの部屋です。格調高い日本建築に縁あって秋田県で約30年間収集されてきた草間彌生コレクションを展示した会場はまさに「伝統×現代アート」な空間が誕生したのです。
フォーエバー現代美術館は、これまで700点近くの美術品を収集しており、そのコレクションの内、約400点を草間彌生氏の作品が占めます。同館の草間彌生コレクションは、初期から近作まで1990年代を中心に構成されています。今回の企画展では、同館所蔵の約400点の内厳選された81点が展示されています。※フォーエバー現代美術館は閉館いたしました。
◎展覧会会場の目印は、歌舞練場の隣にある野外作品「南瓜」(2007年)! こちらは2017年2~5月にかけて東京の国立新美術館で行われた草間彌生展「わが永遠の魂」にも貸し出されたもので、フォーエバー現代美術館を象徴する作品のひとつです。
館内は、伝統と現代美術が見事に融合した空間。展示室の壁に京都ならではの色である「あさぎ色」「べんがら色」を取り入れ、とっても鮮やかです!そして、こちらの美術館の最大の特長が畳に座って鑑賞することを前提に作品が展示されていることです。日本建築では、部屋の仕切りのほとんどが障子や襖で構成されているため、美術品は床の間に飾り、襖そのものに障壁画として絵が描かれています。この日本独自のスタイルを引き継いだ新しい鑑賞スタイルをお楽しみいただけます。
第1展示室で来場者を迎えるのは、壁一面を覆うように展示されている「黄樹」(1992年)。この作品は、フォーエバー現代美術館の館長が草間彌生作品を収集するきっかけとなった作品です。1994年の長野県立信濃美術館で草間彌生の個展がありその時に「黄樹」を初めて見てその迫力、構図の見事さ、ほとばしる圧倒的なエネルギーに感動し、しかもこの複雑な絵を全く下絵なしで描き上げたという事実を知り、この作家は天才だと確信したのが草間彌生作品との出会いだったそう。※撮影可能なエリアです。
第2展示室は、ニューヨーク時代の代表作「無限の網」(1963年)と南瓜モチーフ作品の初期から帰国後までの作品群を展示。美しい「あさぎ色」の壁と畳、作品が見事に調和して、息をのむ美しさです。※撮影禁止エリアですが、許可を得て撮影しています。
第3展示室は中期以降の作品を集めた展示室で、植物やドレス、靴、帽子などファッションをモチーフにした作品が集められています。※撮影禁止エリアですが、許可を得て撮影しています。
2階にある第4展示室は、約130畳の敷地に様々なモチーフの作品を集めた展示室。
能舞台には、「私の魂を乗せてゆくボート」(1989年)が鎮座しています。既成の手漕ぎボートに無数の布製の突起物が貼り付けられた作品です。ボートを無数の水玉で覆うことで草間氏の世界観が表現されているように感じますね。※撮影可能なエリアです。
また、第4展示室の一角には、「私の犬リンリン」(2009年)や陶器を使用した愛らしい作品が展示されています。※撮影禁止エリアですが、許可を得て撮影しています。
展示室の他に日本庭園も必見です!春は桜が咲き、初夏から盛夏にはみずみずしい緑、秋には紅葉、冬には凜とした空気のお庭と季節ごとに訪れたくなる庭園です。
館内には庭園ギャラリーがあり、座禅用の座布団が配され、庭園も美術館のひとつの作品としてお楽しみいただけます。
★次回はミュージアムショップやカフェや3月10日(土)から開催されている「都をどり特別展 祗園・花の宴 草間彌生・花の間展」のご紹介を予定しています!! お楽しみに!