大納言に仕える従者が、主人の大切な硯をこっそり眺めていたところ、帰宅の音に驚いて落としてしまった場面。身振りからも焦っている様子が伝わります。
従者を庇った若君は父の怒りを買い、嵯峨へ追放されてしまいます。その若君が亡くなってしまい、父母は出家、従者も罪を告白して出家、若君の菩提を弔いました、という話です。
巻末の記述により、室町第11代将軍足利義澄(1480~1511)が16歳の時に所持していたことがわかります。絵は土佐光信の筆によると推定されています。
⇓⇓⇓ ご主人の大切な硯を割っちゃった・・。どうしよう。 ⇓⇓⇓
《硯破草紙絵巻》(部分) 明応4年(1495) 細見美術館蔵