演奏者のご紹介 釋 伸司氏(ヴァイオリン) 

園城三花 氏より演奏者のご紹介 ー 釋 伸司氏(ヴァイオリン)

釋 伸司(ヴァイオリン)

前回のピアノの沼尻竜典氏に続き、今回はヴァイオリニストの釋伸司氏について、「いのちの華コンサート」企画者でフルート奏者の園城三花氏にご紹介いただきます。


” 釋さんとの出会いもまたデビュー間もなく、大阪でのテレビ収録でした。
初めて一緒に演奏した時のことを今もよく覚えています。テレビ収録はリハーサルの後すぐに本番になりますので、限られた時間の中でいかによい演奏へ導くかが奏者に問われます。
当時デビュー間もなく日本での演奏経験も浅い私に心を添わせオーケストラとの間をうまくとりもってくれたのが釋さんでした。
思えば釋さん自身もほとんど私と年齢が変わらないわけですから、お互い今思えばやる気いっぱいのただただ理想の音の追及に燃えていた時代なのかもしれません。
「いのちの華コンサート」は、趣旨やチャリティーに共感いただかないとできませんので、私が最も信頼する友人にとにかく声をかけ企画を具体化していきました。
そのときやはりどうしても参加して欲しいと思ったのが、フリーで各地のオーケストラの客員コンサートマスターとして今も走り回り、室内楽やさまざまな音楽シーンで活躍しつづけているバイオリニストの釋伸司さんでした。
釋さんとはカルテットとの演奏でコンスタントに折にふれ活動してきましたので、今回は二人でビルヘルム・フリーデマン・バッハのデュオ演奏をしようと思います。
バッハの息子の一人であるビルヘルムのこの曲は、二つの旋律しかありませんがその旋律が絡み合いとても重厚に作られていると感じます。
演奏していると人生のいろいろな苦難や人と人との結びつきをイメージさせられます。真如堂の歴史を感じながらも、時空を越えられそうなその空間でこの曲がどのように華開くパフォーマンスになっていくのか、今からワクワクしています。
音楽もまた生きています。
その時その空間で一期一会の演奏。どうぞ真如堂の本堂で同じ時代を生きている「今」を感じていただけたら演奏家としてこれほど嬉しいことはございません。"


次回はコンサートの演奏予定曲についてと、会場の真如堂について園城三花氏にお話をお聞きします。

 

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