8月26日(日)までMIHO MUSEIUMで開催されている
夏季特別展「赤と青のひ・み・つ 聖なる色のミステリー」。注目すべき見どころを紹介していきます。
~展覧会の見どころ~
修復後初公開の伊藤若冲筆『達磨図』
吸い込まれそうな赤い衣のこの方は“達磨大師”です。
9年間も壁の前に座り続けて悟りを開いたお坊さまで、幸運のだるまさんのモデルです。
今回の修理によって、達磨大師の衣には、裏彩色という技法でかなりの量の赤色顔料が塗られているということが分かりました。
誰の目にも印象的な、強烈な赤色の衣です。
絹地の裏からも色を塗る「裏彩色技法」は平安時代や鎌倉時代の仏画に多用された技法ですが、若冲の最高傑作とされる「動植綵絵」でも多用されていることが知られています。
禅宗の深い信仰者でもあった若冲が、禅宗の祖である達磨大師の像を描いた時の思いを彷彿とする、この赤い僧衣は必見です。